… … …(記事全文3,649文字)新型コロナ対応の国の給付金をだまし取ったとして、警視庁公安部は25日、中華料理店を運営する「東湖」(東京都港区)の代表取締役社長、徐耀華容疑者(62)=中国籍、東京都新宿区内藤町=ら2人を詐欺容疑で再逮捕した。
御膳房六本木本店に家宅捜索に入る警視庁公安部の捜査員=2月5日、東京都港区六本木(産経新聞ニュースより)
警視庁公安部に逮捕された徐耀華容疑者(御膳房のホームページより)
徐容疑者は2月5日にも詐欺容疑で逮捕されている。最初の逮捕容疑は同社の元従業員、小島敬太容疑者(28)=東京都江戸川区=と共謀し、2020(令和2)年11月上旬から22(令和4)年7月下旬、13回にわたって国に対し、小島容疑者が会社の指示で休業したのに休業手当を受けていないとする虚偽の申請をし、新型コロナ対策で休業手当を受け取れなかった人を対象とした給付金約374万円をだまし取ったとされるものだ。
さらに再逮捕容疑は、2020(令和2)年11月下旬から22(令和4)年11月中旬に計67回、従業員3人の勤務日数を実際より少なくした虚偽の内容を国に申請し、コロナ給付金約1600万円をだまし取ったとされる。これで計約2000万円だが、詐取した総額は数億円にのぼるとみられている。
家宅捜索を受けた翌々日の高級中華料理店「御膳房」。たくましいというべきか、ランチを再開していた=2月7日、東京都港区六本木(三枝玄太郎撮影)
今回の事件、逮捕事実は詐欺容疑なのだが、なぜ詐欺を捜査する捜査2課ではなく、公安部外事2課なのか。それは徐容疑者が経営する「東湖」が運営する「御膳房」がスパイ活動の工作拠点だと公安部がみなしているからだ。
日本には残念なことにスパイ防止法がない。1988(昭和63)年の中曽根康弘内閣時に最高刑を死刑とするスパイ防止法を制定する動きがあったが、野党の猛反対で潰れてしまった。G7(先進7カ国)でスパイを取り締まる罪状がないのは、日本だけである。今回もコロナ給付金詐欺がなければ、徐容疑者が逮捕されることもなかっただろう。この項では、御膳房を頻繁に利用していた政治家を実名で挙げていこうと思う。彼らの中国に関する国会での言動を見ると、ある種の感慨に浸ることができるのではないだろうか。