… … …(記事全文3,079文字)粛清が始まった軍は本当に戦えるのか
――台湾有事と「内部の敵」を恐れる国家
中国人民解放軍で続く大規模な粛清は、単なる汚職摘発や権力闘争として語られがちだ。しかし、この動きを台湾有事という文脈で見ると、まったく違う景色が浮かび上がる。
問題は、中国軍が「戦えるかどうか」ではない。中国が最も恐れているのは、外敵ではなく、自国の軍そのものではないか――という点である。
●中南海にむけて座る「静かな集団」を恐れる国家
――法輪功と中国が抱える内部不信の原点
中国が「内部の敵」を過剰なまでに恐れる体質は、決して最近始まったものではない。その象徴的な出来事が、1999年に起きた法輪功をめぐる事件である。
当時、法輪功は政府に対して政権批判や体制転換を求めていたわけではなかった。彼らが訴えていたのは、弾圧の停止と、自分たちは政治運動ではなく、健康と精神の修養を目的とした平穏な集団であるという一点に尽きていた。
しかし1999年4月25日、北京の中枢である中南海周辺に、約1万人規模の法輪功修練者が集まったとき、中国共産党執行部の認識は一変する。
*中南海(ちゅうなんかい)は、北京市の故宮(紫禁城)西側に隣接する、中国共産党と中華人民共和国政府の最高中枢機関が集まるエリアです。
