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自由貿易主義の限界~リカード論も自由貿易主義も否定された~
日本は自由貿易で得する国である。
日本は絶対的な勝者側であり、日本と自由貿易を結んだ国は日本製の工業製品に駆逐される事になる。一方で自由貿易の下では、価格が安ければ安いほど良い商品は、主に外国産となり、日本で販売される安物は全て外国産となる。安物しか作れない会社と、付加価値の高い商品を販売する会社だったら、後者の売上や利益が増えるのは当たり前だ。
タオル製造会社と自動車製造会社で、どちらの会社の売上が大きいかは考えるまでもない。
日本は自由貿易の勝者だった。
日本は自由貿易を手に入れたのは第二次世界大戦後だった。それまでは世界各国の差別的貿易規制や保護主義の下、世界で売る事も、買う事さえも難しかった。しかし、日本は大戦で負けたものの、アメリカの庇護下に入ることで『自由貿易』を手に入れた。
これは日本が明治以降、求め続けた環境に他ならなかった。
戦争に負けたことで手に入れるとは何とも皮肉な話だった。
だからドラッカーは、『第二次世界大戦で、政治的に勝利したのは日本だった』と言ったほどだ。
そして戦後、自由貿易こそが平和と経済発展をもたらすと信じられた。
そして日本は、その恩恵を最大限に受け、発展した。
自由貿易は、日本にとって最高の環境だった。
自由貿易で経済発展するとされた根拠は、比較生産費説、もしくはリカード理論による所が大きかった。リカード理論とは、各国が自分の得意な分野に注力する方が労働生産性が増大され、互いにより高い利益・収益を享受・獲得できるという理論だった。具体的にどういう事かと言うと、日米間で述べるならば、自動車は全て日本車になり、アメリカの自動車メーカーは潰れても構わない。その代わり、アメリカはIT系に力を入れ、日本のIT覇権も握ればいいという事になる。
そして、今、それに近い状態になりつつある。
アメリカは日本車であふれ、日本ではアメリカのGAFAが覇権を握った。
しかし、実際には製造業の覇権を握った国の方が国民が豊かになった。
例えば、Google,Youtubeなどを傘下に置くAlphabet Inc.の売上高は18兆円で、従業員数は世界で13万5000人である。一方、TOYOTAの売上高は45兆円で、従業員数38万人となった。仮に売上額を同じにするとTOYOTAの方が従業員数が多い事になる。
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