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X(ツイッター)では言えない本音

鳥集徹(ジャーナリスト)

鳥集徹

#55反ワク活動に【解毒ビジネス】が入り込んでいる ~レプリコン伝播の不安につけ込む商売に要注意~

先日、地方のイベントで出会った30代の吉田正樹さん(仮名)から聞いた話だ。ある反ワクチングループで彼が「仕方なく2回接種した」と自己紹介したところ、参加者の一部から健康食品・サプリメントや民間療法セミナーの勧誘を受けたという。

 

いといろと噂は聞いているが、どうも反ワクチングループに「解毒ビジネス」でひと儲けしようと目論む人間たちが入り込んでいるようだ。彼らのやり口は「不安につけ込むこと」。とくにいま、レプリコンの伝播・シェディングに不安を感じている人は要注意だ。

 

どんなことがあったのか。まずは吉田さんの話を聞いてほしい。

 

<以下、吉田正樹さん(仮名)の証言>

わたしは2020年からある病院の職員として働いていました。コロナワクチンの接種が始まって、本当は気が進まなかったのですが、コロナが終わるならというのと、医療従事者だからと思って、仕方なくコロナワクチンを接種しました。

 

2021年4月初旬に1回目、4月末に2回目を打ちました。1回目はまだ大丈夫だったのですが、2回目の副反応がきつくて、家で1日寝込んだうえに、1~2週間、怠さや眠気が取れませんでした。それに病院の接種会場で、打った後に具合が悪くなって運ばれていった人を見たんです。なので僕はもう「コロナワクチンは打たない」と決めていました。

 

2021年秋に3回目接種の告知があった頃、実は僕は休職していました。夏、暑かったのでマスクしなかったら、「感染対策ハラスメント」にあって、ストレスで体を壊していたんです。井上正康さんの本や鳥集さんの『コロナ自粛の大罪』(宝島社新書)も読んでいたので、もともと病院のコロナ対策には疑問を感じていました。

 

上司から「復帰をどうする?」と聞かれたので、「ワクチンを打たない自由を認めてください」「PCR陽性になっても打たないからだと言わないでください」「マスクは暑いから外します」と答えました。そしたら、「残念ですが退職手続きをします」と言い渡されました。

 

それで僕も病院の仕事を辞めることにしました。病院が委託する業者に雇われた身で待遇がよくなかったですし、医師たちも「GWは感染しないために家にいろ」と平気で言うような人たちばかりでした。そこまでして、そんな職場に居たいとは思わなかったので、そろそろ辞め時かなと思ったんです。

 

そんな中、ワクチンを接種した直後の2021年5月頃、僕はツイッター(現X)で反ワクチンのLINEグループがあることを知り、参加させてもらうことにしました。自己紹介で「2回打ちました」と書き込んだら、別の参加者から「このままでは2年後に死ぬ」「毒が入ってるから解毒が必要」と言われたんです。そして、健康食品やサプリメントを紹介され、民間療法セミナーの勧誘も受けました。そういう人が100人ぐらいのLINEグループの中に5人くらいいました。

 

実際、打った後のストレスは、半端なくありました。「まさか2年後に死ぬことなんてない」と思っていても、打ってから2年経つまでは、やっぱりすごく怖かったんです。そのうえ、シェディングを心配する人たちから、「私に近寄らないで」「毒がうつるから」といったことまで言われました。そうやって打ってない人たちから邪険に扱われるのもイヤでした。

 

仕事が終わって携帯を見たら、毎日のようにLINEグループからの通知が200件くらい入っていました。非科学的な話や眉唾な陰謀論が多かったので、LINEグループはしばらくして退会しました。でも、勧誘を受けたのは、このグループだけではありませんでした。「ワクチンの解毒にいい」と言われて、1本500mlで1万6500円の健康水を勧められたこともありました。

 

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