… … …(記事全文4,487文字)私は「ワクチン推進派」というか、「反『反ワクチン』派」(以下、推進派)の連中が大嫌いだ。人の命に平気で差をつけるし、ワクチンで命や健康を亡くした人たちの悲しみ、苦しみに、あまりにも冷淡だからだ。
小林製薬の「紅麹原料」が入った機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」を摂取した人に「健康被害」が出ていると報じられている。2024年3月28日現在のニュースでは、腎疾患などで4人の死者が出て、106人が入院したのだそうだ。
ニュースを見ると、因果関係は「調査中」とされている。にもかかわらず、あたかも「紅麹原料」が健康被害の原因と確定されたかのような報道がされている。そして、小林製薬を吊るし上げるがごとく、数えきれないほどのニュースがアップされ、大騒ぎが続いている。
健康に良いはずの「機能性表示食品」で因果関係を疑われる死亡事例が出たのだから、小林製薬の安全対策に疑いの目が向けられるのは当然だろう。原因の特定を急ぐとともに、商品の自主回収も行われるべきだ。
だが、厚労省とメディアのコロナワクチンとの対応の違いに、怒りを覚えるのは私だけではあるまい。多くの人がX(旧ツイッター)で、「コロナワクチン接種後の被害についても同じように調査や報道、回収をすべきだ」という批判の声が相次いだ。私も心からそう思う。
ところがだ。これに対してまたしても、推進派が唾棄すべき反応をしてきた。たとえば、Xで「紅麹 反ワク」と検索すると、こんな投稿が出てくる。
「無知で不勉強な反ワク教徒共が無関係な陰謀論を持ち出して騒ぎ始めてんの、割とマジで虫唾が走る」
「紅麹問題、正真正銘の薬害事件なんで、反ワクさんは良―く見ておくといいよ」
「紅麹にかこつけて、反ワクが紅麹より死者が出てるワクチンの方が危険だーってやってるの面白すぎwww」
極めつけは、さっき見たメンタリストDaiGo氏のポストだ。
「まだワクチンのことで騒いでる人のために、頭の悪い人に打つワクチンが必要だと思う。/と言う言葉になんか納得した」(@Mentalist_DaiGo2024年3月28日)
「頭の悪い人」だと? ワクチン接種後に尋常ではないほどの人が亡くなっているのだ。騒がないほうが、「頭がおかしい」ではないか。厚労省の副反応疑いに医療機関や製薬会社から「ワクチン接種後に死亡した」と報告された人だけでも、2000人を超えている。単純計算で紅麹の500倍だ。
予防接種健康被害救済制度においても、過去47年分の24種類のワクチンの救済認定数3649件(うち死亡認定482件)を、コロナワクチンはたった一つで優に超える数の救済認定となっている(救済認定数6795件、うち死亡認定523件/2024年3月28日公表分まで)。全然、騒ぎ足りないくらいだ。
X(ツイッター)では言えない本音
鳥集徹(ジャーナリスト)