… … …(記事全文5,303文字)コロナ騒ぎの最中、お産の現場では異常なことが起きていた。妊婦さんにPCR検査を受けさせ、陽性だと有無を言わさず「帝王切開」とした医療機関が多かったようなのだ。
そのような風潮に抗して、PCR検査も不必要な帝王切開もしなかった産婦人科医が広島にいた。フジハラレディースクリニック理事長・院長の藤原紹生(ふじはら・つぐお)医師だ。コロナ騒ぎの中、お産の現場でなにが起きていたのか。3回にわたり藤原医師のインタビューをお届けする。
鳥集 コロナ騒ぎが起こってから、妊婦さんにコロナワクチンの接種を求める、陽性だと帝王切開にする、出産時にマスクをさせるなど、酷いことが起こっていると聞いていました。最近もX(旧Twitter)で、これらの問題について議論が巻き起こっていました。
そんな中、今年に入りFacebookを通じて、藤原さんから「お会いしたい」とメッセージをいただいたわけです。申し訳ないことに、それまで藤原さんの存在を知りませんでした。妊婦さんにPCR検査も、ワクチン接種も、不必要な帝王切開もしない産婦人科医がいたことを知って、心強く感じ、これはすぐに広島へ駆けつけねばと思った次第です。
藤原 ありがとうございます。本当に酷いことが起こっていましたよね。Facebookに妊婦さんへのPCR検査は不要、コロナワクチンは絶対に打たないでと訴える文章をいくつも投稿していたので、さまざまな都道府県の方から「相談に乗ってほしい」とメッセージが来ました。
これは、妊婦さんから相談を直接受けられたNPO法人の方からお聴きした話ですが、茨城県のある大きな総合病院では、妊婦さん全員にPCR検査を受けさせて、陽性だと全員に帝王切開していたそうです。また、最近患者さんから聞いた話ですが、広島県内のある産婦人科病院では、現在も妊婦さん全員にPCR検査を行い、陽性だったら帝王切開しているそうです。ですから、日本全国いたるところに、同じような医療機関があると思います。
鳥集 有無を言わさず全員にですか。驚きです。
藤原 PCR陽性=コロナに感染とは限りません。死んだウイルスの断片を拾っているだけかもしれません。それに、あとで話しますが、そもそもPCR検査のプライマー(ウイルスの塩基配列を捉えるための鋳型となる短いDNA)の塩基配列自体も、本当に「新型コロナウイルス」なるものから得られたのかどうか分からないのです。
コロナ騒ぎのことを本当に勉強していた人からすると、PCR検査をしても意味がないことは分かっていることです。ですから、茨城県の総合病院に通っていた妊婦さんは「私は検査を受けたくありません」と話した。そしたら医師から「検査を受けないのなら、あなたは帝王切開になります」と言われたそうなんです。
鳥集 通常は、経腟分娩では危ない場合にしか、帝王切開はしないですよね。
藤原 産科学的には、骨盤が狭くて赤ちゃんが産道を通らない、酸素不足で苦しがっているといった場合などに帝王切開の適応となります。にもかかわらず、安全に経腟分娩ができるはずの妊婦さんにも、PCR陽性というだけで帝王切開をするという。このケースは氷山の一角で、他にもたくさんあったはずです。
鳥集 医学的な適応がないのに帝王切開をしたら、不必要に妊婦さんを傷つけていることになります。
藤原 そうです。「コロナ陽性だったら帝王切開」というのもそうですが、「検査を受けないんだったら帝王切開」というのも大問題です。これは強盗と一緒ですよ。「金を出せ。さもないとお前の命はないぞ」と言っているのと同じですから。医療というか、医師というものが、なぜこんなところにまで成り下がってしまったのかと、情けなくなりました。
それで、その妊婦さんも帝王切開は避けたい訳ですから、作戦を立てたそうです。結局、陣痛が始まってもすぐに病院には行かず、ギリギリに駆け込んですぐに産んでしまおうということになりました。それ自体は成功したんですが、赤ちゃんが生まれたらすぐ引き離されて、その人が分娩台に寝ている間に、パッと鼻からぬぐい液を取られてしまった。本人が望まないのに、検査をされたんです。これは人権問題ですよ。
X(ツイッター)では言えない本音
鳥集徹(ジャーナリスト)