… … …(記事全文4,398文字)料理研究家のリュウジ氏のX(旧ツイッター)への投稿が炎上し、ネットニュースになっていた。
「味の素体に悪いとか言ってる人全員もれなく反ワクチンなのなんでだろう」
この投稿に、賛否両論のコメントが殺到。2023年12月22日までに、1949万件閲覧され、5.4万件の「いいね」が付いている(日刊スポーツ「料理研究家リュウジさん『味の素、体に悪いとか言ってる人全員もれなく反ワクチン』投稿が物議」2023年12月17日)。
このリュウジ氏の投稿に、コロナワクチン登場以来ずっと「反ワクチン」を罵倒してきた起業家の堀江貴文(ホリエモン)氏も反応。引用ポストして「そういう人ってヴィーガン率異様に高いし、グルテンフリー率も異様に高い。あとナチュールワイン好きが多い。たぶん遺伝的に身体が弱い人が多くて、普段から体調壊しやすいので、体調悪いのを人工物のせいにしたいだけだと思う。」と書いていた。
さらに堀江氏は、このポストに対する批判コメントに応酬。同じ日に次のような投稿をして、炎上していた。
「反ワクだろそれ笑。ワクチンが社会的免疫を獲得する重要な手段なのに、自分が発症しないからって打たないのは意識低いとしか言いようがない。みんなで頑張って獲得した社会的免疫にフリーライドしてるズル。そんなズルを尊重できるはずがない」(2023年12月22日時点で232万回閲覧、2332件のいいね)。
「反ワクチン」が新型コロナワクチンの未接種者のことを言うなら、確かに化学調味料や食品添加物を嫌い、自然な食品を摂りたいという人が多い印象が私にもある。しかし、それは決して悪いことではない。それに、「味の素が体に悪い」という人が、「全員もれなく」反ワクチンというわけではない。「自然派なのに、なんでワクチン打っちゃったのかねぇ」という人も、実は意外と多いのだ。
また、反ワクチンの人たちのヴィーガン率やグルテンフリー率が「異様に高い」とも断言できないはずだ。私自身、かなり多くの反ワクチンの人たちに会ってきたが、その中にヴィーガン(卵や乳製品を含む動物性食品を一切摂らない完全菜食主義者)の人がいた記憶はない(グルテンフリーはいたかもしれない)。むしろ、オフ会などに行くと、みんな自由に好きなものを頼み、飲み食いしていた。「遺伝的に体が弱くて…」という人がいた記憶もない。反対に「ワクチンもマスクも要らない」と勇ましく、体も心も強すぎる人が多かった気がする(笑)。
リュウジ氏や堀江氏だけでない。他の反「反ワクチン」の人たちの投稿を見ても思うのだが、彼らは「反ワクチン」にかなり偏見を持っていて、決めつけが強いと感じる。反ワクチンは「低学歴で低収入」というのもあったが、東大、京大、一橋、早稲田、慶応、医学部等々の出身者や、お金持ちだって少なくない。むしろ、そうした人たちが、学歴や収入を鼻にかけないところも、反ワクの好ましいところだと私は思っている。
X(ツイッター)では言えない本音
鳥集徹(ジャーナリスト)