… … …(記事全文6,117文字)2023年10月19日、ロックバンドBUCK-TICKのボーカル・櫻井敦司さんがコンサート中にステージ上でふらつき転倒。3曲目を歌い終わったところで救急搬送され、脳幹出血で亡くなった。57歳という年齢。調べてみると、私と同学年だった。早すぎやしないか。ご遺族やメンバー、スタッフ、そしてファンの心情を察するに余りある。心からご冥福をお祈りしたい。
その櫻井さん逝去のニュースを引用した歌手・ASKAさんのX(旧ツイッター)の投稿(10月24日付)が注目を集めた。「みなさん、変だと思いませんか? 何かが起こってると思いませんか?」。このASKAさんの投稿に賛否両論のリプがつき、10月27日11時現在で閲覧数は255万にも達している。これを従来から反ワクチンや陰謀論に批判的な週刊誌「女性自身」が取り上げ、記事にした。
「もともとXを通して、コロナワクチンに対して懐疑的なスタンスを表明しているASKA。そのため、『変だと思いませんか?』という“意味深投稿”はネットで物議を醸すこととなり、ASKAの投稿をたしなめる声が相次いだ。《櫻井さんのご家族、バンドのメンバーや関係者、そしてファンの方たちに対して配慮に欠いたコメントだと思いますね》《メンバーや関係者、何よりもファンの方々が深い悲しみに暮れているなかで陰謀論をほのめかす主張するのは到底受け入れ難い》」(女性自身「『もう度が過ぎる』『警告した』意味深投稿のASKAがSNSの誹謗中傷に訴訟宣言」(2023年10月25日Yahoo!ニュースに転載)。
櫻井さんの脳幹出血がコロナワクチンのせいかどうかは、誰にもわからない。接種済みであるかどうかも不明な上に、コロナワクチンを原因と決めつけて論じることが、科学的でないのは全くその通りだ。しかし、2021年2月にコロナワクチンの接種が始まってから国内の死者数が異様に増えており、接種後死亡や重篤の報告が従来のワクチンとは比べものにならないほど多いのも事実だ。誰かの死が「絶対にコロナワクチンのせいではない」と断言することも、また科学的ではない。櫻井さんの前日の10月18日には、大ヒット曲「ダンシングオールナイト」で知られる歌手もんたよしのりさんも、大動脈解離で亡くなった。それもまたコロナワクチンが原因かどうかはわからないが、このワクチンによって血管を傷つけるリスクを指摘する研究者がいることも、また事実だ。
そして、多くの人が気づいていると思うが、若いのに急に亡くなったり、体調不良で休養したりする著名人のニュースがやたら増えている印象がある。統計的に確信をもって言うことはできないが、「もしかして、コロナワクチンが関係しているのではないか」と思いたくなる状況があることも確かなのだ。にもかかわらず、「配慮に欠いている」「陰謀論をほのめかすな」と言って、コロナワクチンとの関係を論じることをタブー視させるような「空気」をつくろうとすることは間違っている。科学的な原因がわからないからこそ、タブーなくあらゆる可能性を議論すべきではないか。
X(ツイッター)では言えない本音
鳥集徹(ジャーナリスト)