… … …(記事全文4,572文字)これから書く話は、つい最近(2023年9月某日)、ある政令指定都市にある公立学校の先生(管理職)から取材した話だ。その先生のことが特定されないよう、場所や日時等の具体的な話は曖昧にしている。その点はどうかご理解をいただきたい──
この夏休みの間に、同僚のA先生(女性)が、独り暮らしの自宅で亡くなっているのが見つかった。まだ60代前半だった。
「A先生は、『お盆休みに実家に帰る』と話しておられました。学校のある市内から特急で2時間ほどかかる地方都市です。90歳を超える高齢の両親がご健在で、『コロナをうつすのが心配なので、その前にワクチンを打つ』というのです。私が『何回目ですか?』と聞くと、『6回目です』と答えました。『えっ、今まで5回も打っておられるんですか』という会話をしていたんです」
A先生がコロナワクチンを打ったのは、学校の先生たちがお盆休みに入る直前の日のことだった。午前中にクリニックでワクチンを打ってから、夏休み中の学校に出勤してきた。
「打ってすぐ副反応が現れたのですが、『今までと出方が違う』と話しておられました。『すごく頭が痛い。体も重い』と。熱も出ていたようです。3日後に実家に帰る予定だったのですが、『帰れるかな』と心配されていました。とてもつらそうだったので、『先生無理しないで、しんどかったら救急車呼ぶなりして、休んでくださいよ』と声をかけていたんです」
X(ツイッター)では言えない本音
鳥集徹(ジャーナリスト)