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小川榮太郎「批評家の手帖から」

小川榮太郎(文藝評論家)

小川榮太郎

批評家の日録―バークの英語にへとへと(笑)…から翻訳談義、政治、露伴に及ぶ雑談

ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00276/20230128092546104907 //////////////////////////////////////////////////////////////// 小川榮太郎の大放談「炎上御免!」 https://foomii.com/00276 ////////////////////////////////////////////////////////////////  一昨日はまるまるバークの英訳で終る。バークの英語は18世紀のもので、延々と複雑な構文や破格の表現が頻出し、単語も恐ろしく凝った言葉が多用されていて、歯が立たないどころではない(笑)。夕方まで2頁分がやっと。私が解説する部分だけの訳だが、さすがに原文に当って自分で確かなものにしないとならない。ドストエフスキーやルソーを批評する時は日本語訳をそのまま使わせてもらってきたが、今回の仕事は性質が違い、バークによるイデオロギー批判を敷衍してこの200年の西洋の知性のあり方と人間観、社会観に根本的な異議申し立てをするので、バークの用語の一つが時に決定的に重要になるわけだ。  小林秀雄のフランス語力も気合で乗り切る系(笑)だったが、吉本隆明に至ってはすべて翻訳で批評するという徹底的な姿勢。そりゃトインビー、アンドレ・マルローからレヴィ=ストロース、ブローデルに至るまで日本語が分らずに立派な―時に「ご立派な」―日本論をやってくれているので、こちらもそれでいいんですよ。Properの人は思想や哲学のみならず藝術でも翻訳がどうたらこうたら言うのが仕事なのでいいけれど、ブローデルに至っては『文明の文法』で天照大神の名前を間違えていたし、史実から見て古代日本史の全てが見当違いだった記憶がある。それはおいておくとして、これはともかく凡庸な本だったな。これが二十世紀中葉から後半の歴史学の大家だとはと30代の頃呆れたものです。
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