Foomii(フーミー)

吉富有治の魔境探訪 - 政治という摩訶不思議を大阪から眺める

吉富有治(ジャーナリスト)

吉富有治

日本のターニングポイントとなった参院選 目立つナショナリズム政党の脅威と既成政党の衰退 

 参院選が終わって約10日が経った。この間、与野党の間で様々なことが起こった。中でも石破茂首相の周辺が騒がしい。


 毎日新聞は23日、石破首相が8月中に退陣を発表するという記事をネットで配信した。続けて、同日に読売新聞も「石破首相 退陣へ」という号外を出している。2つの全国紙が流した記事は大きな反響を呼んだ。記事からは、昨年の衆院選に続いて参院選でも自公が過半数割れを起こした責任を取り、石破が退陣するという政治的な流れができていると誰もが考えた。


https://mainichi.jp/articles/20250723/k00/00m/010/057000c


 石破は23日、自民党の長老である麻生太郎と菅義偉、そして岸田文雄の元前首相ら3人と会談した。首相と元前首相らの会談のニュースは事前にマスコミ各社が伝え、そこで石破首相の進退について協議すると分析していた。しかし、麻生たちと会談した石破が出した結論は、このまま続投。毎日新聞の記事について石破本人も森山裕幹事長も否定しており、結果的に毎日新聞と読売新聞は飛ばし記事を書いたことになる。だが、両紙は翌日24日の朝刊1面でも石破退陣の記事を大々的に載せていた。


 石破の退陣を求める声は党内でも拡大しており、地方の県連からも退陣要求が相次いでいる。28日には自民党の両院議員懇談会が開かれ、時間オーバーの議論が続く中で石破退陣の声であふれた。最終的には石破は「国家や国民に対して政治空白を生まないよう責任を果たす」と述べて続投を表明した。


 内閣支持率も低迷し、どのメディアも22%まで落ちたと報じている。「石破では選挙は戦えない」という危機感が自民党内で広がり、石破に退陣要求の圧力がかかっているのは確かである。だが、首相が交代したところで衆参両院の議席が増えるわけではなく、相変わらず少数与党のままだ。野党との協力関係を築くのは誰が首相であっても同じである。


 毎日新聞と読売新聞の記者が誰から石破退陣の話を仕入れたかは不明だが、首相の退陣を望む者であるのは間違いない。1人なのか複数なのかは別として、その人物はマスコミを使って石破退陣の世論とムードを盛り上げ、石破を追い込もうとした可能性がある。裏を返せば、石破は首相をただちに辞める意思はないということだ。辞めるのであれば、少なくとも日米に横たわる関税交渉の問題を片付けてからだと考えているはずだ。


 ただ、その関税交渉も一応の決着はついた。だとしたら、石破が退陣する準備はできたことになり、毎日新聞と読売新聞が伝えるように8月には退陣という流れになりそうだ。

… … …(記事全文8,279文字)
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