… … …(記事全文8,246文字)今回は本題に入る前に、大阪市議会で先月27日、「ギャンブル依存症対策条例案」が否決された背景に触れておきたい。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF260Y00W5A520C2000000/
ギャンブル依存症対策条例案とは、文字どおり、賭け事といったギャンブルにのめり込んで依存症を患った人たちへの対策を強化する条例案である。大阪市の自民党市議団と公明党市議団が共同で市議会に提案した。
同条例案のポイントは次のようなものだ。①小中学校でギャンブル依存症に関する予防教育の実施、②24時間対応の相談ホットラインの設置、③専門外来や依存症支援を行う医療機関、NPOなどの民間団体への財政支援、④射幸心をあおる広告の規制、⑤依存症対策の具体的な行動計画の策定といったものである。
だが、ギャンブル依存症の対策を条例によって制度化したこの案も、市議会で単独過半数を有する大阪維新の会(以下、維新)と、少数会派である共産党が反対したことで否決されてしまった。この否決には、自民党はむろん、とくに公明党がカンカンに怒っている。
公明党の機関誌『公明新聞』などによれば、市議会に条例案を提出する前までは維新を交えた4会派で4回も修正協議を行ったという。しかも、維新からは条文の修正案が出されるなど可決に前向きな姿勢を示していたという。ところが、なぜか維新は、ちゃぶ台をひっくり返すように本会議では反対に回ってしまった。さらに維新の武智博幸市議はX(旧・ツイッター)で、火に油を注ぐかのように「いつどこで4会派で合意されていたことになってたのか。」と投稿し、これが自民党と公明党の怒りをさらに増幅させた。賛成した両党にすれば騙し討ちに遭ったようなものだろう。
https://x.com/hiro_takech/status/1927350742756516237
そもそも、この条例案が市議会で提案された理由は、大阪湾に浮かぶ人工島・夢洲(大阪市此花区)において日本初のカジノを含む統合型リゾート(IR)が2030年ごろに開設されるからだ。カジノという賭博場が公式に開設されることで社会に与えるマイナスの影響が無視できないからである。

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