… … …(記事全文3,660文字)●ストーマの種類と装具
ストーマの種類は大きく分けて消化管用スト―マ(人工肛門)と尿路用ストーマの2種類である。父の場合、消化管の中でも結腸用なのでコロストミーと呼ばれている。このストーマ装具は、一般的に面板(めんいた)とパウチからなる。
面板とは、ストーマ装具を身体に粘着させる円盤状の部分で、皮膚保護剤を中心に構成される。皮膚保護剤の役割は、ストーマ装具を肌に粘着させること、排泄物や汗を吸収すること、排泄物のpHを弱酸性である肌に近づけること、細菌の繁殖を抑制することである。
パウチは面板に接着し、ストーマからの排泄を受ける袋である。面板は、平型、凸型と形状の違いがあり、平型はストーマ周囲腹壁が平らでストーマの高さも十分あるときに、凸型はストーマ周囲腹壁が陥没していたり柔らかくしわが多かったり、ストーマの高さが低いまたは陥没している場合に使用する。
また、面板はストーマの大きさにあった穴をあけてからストーマ周囲皮膚に貼る。面板にはさみ等で穴を開けるタイプはフリーカット(自由孔型)、既に一定の穴が開いているタイプはプレカット(既成孔型)、指で穴を広げられるタイプはモルダブル(自在孔型)と呼ばれる。
●ストーマ装具の目的
ストーマ装具の最大の目的は、排泄物が漏れることなく、皮膚障害を起こさないことである。このため、腹壁の硬さ、ストーマの形、ストーマ周囲の皮膚の状態、よくとる姿勢などにより、ストーマ装具が変わるので、数々のメーカーが作る多くのストーマ装具の中から、最適なものを選択すればトラブルは減らすことができると言われている。
●ストーマ装具交換は難易度が高い
ストーマ装具は、パウチに溜まった排泄物を排出・廃棄した後、排出口を清潔に保つ必要があり、長くとも3日程度で装具そのものを交換しなければならない。このため、父は看護師の指導の下、排出の訓練を行ってきた。しかし、交換については難易度が高いので、誰かにしてもらわなければ、父自身は行えない。
ハサミでストーマの直径に合わせて面板に円形の穴を開け、周辺を消毒し、皮膚トラブルを予防する皮膚被膜剤を塗布した後、面板を隙間ができないよう注意深く貼り付ける。これがなかなか難しい。病院で講習が行われたが、弟に任せた。退院後は、対策として、ストーマ装具交換のタイミングとデイサービスの日程を合わせるなど工夫するとともに、訪問看護師が緊急時に対応してくれるオプションを選択するなどした。
●4、5年前に出た「最新式」
退院直前になって、医師から「最新式のストーマ装具を使ってみては」とのアドバイスをもらった。「ならば、もっと早く言えよ」というのが本音だった。退院後は、漏れにより夜中に起こされたり、一日に何度も交換したりというトラブルが発生し、上述した目的を達成できていなかった。そこで、その「最新式」を注文した。具体的には、Hollister社の「やわぴたセラプラス」という製品である。
直接、Hollister社に電話で尋ねてみた。「もともと面板は凸型だが、『やわぴた』の商品名のとおり、材質を自社製品比で柔らかくした。また、『セラプラス』というのは、粘着性にも改良を加えた意味である」とのことだった。また、「新製品なんですよね」の問いには「4、5年前から扱っております」という驚くべき答えが返って来た。「また、あの病院のいい加減さがひとつ明らかになった。呆れ返って病院には何も言う気持ちにならなかった。
