… … …(記事全文3,215文字)●特養M荘に入所が決定
母が要介護5となり、特別養護老人ホーム(特養)の入居を希望する書類を各施設へ送付したことは旧稿で述べた。ケアマネージャーの話では、約300人待ちで簡単には入居できないとのことだった。それでも、ダメもとで全ての施設に向けて送付した。ある施設からは、「応募番号をお伝えしますので、順番はホームページで確認してください」との返事が来た。見る気持ちにもならなかった。
幸運なことにM荘から、「入所希望に応じる」という連絡が来たのは3週間が過ぎてからだった。私たちに施設を選ぶというオプションは、存在しなかった。遠い近い、評判が良い悪いなどの贅沢は言っていられない。即断即決で入所の説明を聞きに、弟と共にでM荘を訪ねた。施設の担当者は、手慣れた様子で要領よく資料を説明してくれた。入所時に持参する資料には、記載する必要がある箇所に付箋が貼られていた。そして、入所日もその場で決まった。病院からの診断書等がまだ出ていないため10日後になった。
施設内を見学させてもらった。広い厨房、洗濯室のクリーニング屋さんにあるような大きな乾燥洗濯機が目を引いた。居室は、4人部屋で病院のカーテンとは異なり、仕切りがしっかりとした木製であった。予定されている部屋は、残念ながら山を見渡せる側ではなく、中庭に面していた。定員は115名であり、最年長者は104歳、最年少者は65歳とのことだった。
外の環境は、田園地帯の縁の高台にあり、自然にあふれる場所に位置している。M荘のホームページによれば、「『春・桜模様、夏・苗の緑、秋・紅葉の山、冬・雪景色』の四季が、地から空にかけて感じられるところ」ということである。ただ、欠点は携帯電話が繋がりにくいとのことだが、高齢者にはさほど問題にはなるまい。また、自宅から車なら15分弱で行けるのはありがたい。病院もそうだったが、面会は週1回で決められた枠内だけで、会いたい時に会えるわけではない。いつまで、感染症対策が続くのだろうか。
●老人ホーム探し比較・評価サイト
順序は逆だが、老人ホーム探し比較・評価サイトでM荘の評価を見てみた。あるサイトでは、こう記されていた。「終身での利用ができるため、『終の棲家(ついのすみか)』として選ぶ方の多い施設です」。「終の棲家」とあったのでハッとした。「そうか、母が一生を終える場所になるのか」と一瞬考えかけたが、「ちょっと待てよ。終の棲家を決めるのはあくまで母であり、希望を確認しておく必要がある」と、この表現には誤解が生じる危険があると考え直した。
