… … …(記事全文4,266文字)●詐欺ネットショップで注文・送金
前稿でネットショップでの買い物を巡り、「欠品・返金詐欺」に遭ったことを書いたが、もう一度振り返っておきたい。あるネットショップでベストを注文した。意に反して特別セール中につきクレジットカード決済はできない、現金振り込みのみとのメールが来た。ここで不審に思わなければいけないのだが、品物が非常にレアでそれを扱っている面で信用できるのではとも考えた。48時間経過すると注文は自動的にキャンセルされるともあり、欲に駆られて現金を指定の口座に振り込んだ。振込先は以下のとおりである。1月4日のことである。
PayPay銀行
かわせみ支店
普通口座 4391427
名義人 オオタ ユキナリ
ここでも、銀行口座の名義が個人であることに疑問を持たなければならなかった。通常であれば、ショップ名義であるはずだ。
●欠品と返金メール
「着金を確認できたら連絡をください」とのメールにも全く応答がない。「騙されたか」という思いが強くなった。めげずに毎日同じメールを再送し続けた。10日ほど経過した1月15日こんメールが返って来た。
「ハスイケトオル 蓮池透 様、大変お世話になっております。
商品欠品のお詫びと返金の件でご連絡させて頂きました。
先日は当店をご利用いただき、誠にありがとうございます。
ご注文いただいた商品についてですが、現在欠品しております。
折角ご注文いただいたにも関わらず、大変申し訳ございません。
大変恐れ入りますが、下記のご注文をキャンセルし、返金にてご対応させていただければと思います。以下弊社の公式LINEまでお問い合わせくださいませ。
※公式LINE(ID) :nbhhp7 https://line.me/ti/p/zfMpsy
弊社より迅速に返金対応させていただきます。ハスイケトオル 蓮池透 様にお手数おかけし、誠に申し訳ございませんが、何卒よろしくお願い申し上げます」
●LINEで返金手続き
当該のLINEのアカウントは「受付サービスセンター」で返金を要求すると、次の応答があった。
「税関の問題のため、銀行カードによる返金は現在サポートされていません。電子送金はPayPayのみ対応しております」
これで完全に「欠品・返金詐欺」ということが判明した。「税関の問題」とは意味不明である。振込み金以外にも詐取しようというのかと立腹し、言われる通りPayPayのマイコードを送ってみた。すると、送金不能のスクリーンショットが送付されて来た。矢継ぎ早に、「今販売業者に連絡しました。販売業者が払い戻しの問題を解決してくれます。今お時間ありますか」というメッセージとともに販売業者LINEのURLが以下のとおり返信されて来た。
その販売業者のLINEに接続してみると、アカウントは「小林第二営業部」だった。即刻返金しますと書きながら、ビデオ通話がかかって来た。「パーティ機能をONにしてください」「銀行アプリを開いてください」「PayPay銀行のアプリをスマホにインストールしてください」などと次々不審な要求をしてくるのだった。いずれの話し方もぎこちなく、外国の人であるのは確かだ。私は、揶揄ってやるつもりですべての要求に「よく分かりません」と応答した。そのうちに「コイツからは盗れるものがない」と判断したのか、通話は切られた。それ以降は、なしのつぶてであった。
「欠品・返金詐欺」とは、PayPay送金のやり取りの中で、返金してくるどころか、逆にこちらから送金させ、二重に詐取するというものである。私の場合、PayPayアプリの残高が少なかったこともあり、二重詐欺は免れることが出来た。そこで、安心していたのだが、事はそれだけでは済まなかった。
●突然の銀行口座凍結
1月16日、身に覚えのない電話番号から留守番電話が入っていた。聞いてみると、三菱UFJ銀行組織犯罪対策室からで、折り返しの電話が欲しいという内容だった。気付いたのが遅かったので電話をすることが出来なかった。