Foomii(フーミー)

蓮池透の正論/曲論

蓮池透(元東京電力原子力エンジニア)

蓮池透

将来海水浴は消滅してしまうのか

●遅い梅雨明け

7月中旬から、曇り空で時折雨が降る不安定な天気が続いていた当地(新潟県柏崎市)である。曇ってはいるものの気温は高く、湿度も高いため蒸し暑い毎日だった。最近、テレビの天気予報などで耳にしなくなった「不快指数」で言えば、80を超えていた(ほとんどの人が不快と感じる蒸し暑さ)であろう。ところが、月が変わり8月に入ると打って変わって晴天になった。週間天気予報を見ても好天が続くことから、新潟地方気象台は新潟県を含む北陸地方が梅雨明けしたものとみられると発表した。平年より9日、去年より13日遅い梅雨明けである。


●海水浴が低迷する理由

本格的な夏が遅まきながら始まった。当地では、夏のレジャーの代表格である海水浴がコロナ禍を経て低迷していることは旧稿で述べた。ところが、全国的に見ても閉鎖される海水浴場が増えているという。原因は、大きく分けて三つある。一つは、砂浜が浸食によりなくなってしまい、海水浴場として成り立たなくなるケースである。新潟県上越市のように、冬の間の強風や高波、能登半島地震による津波で砂浜が浸食されたが、人工的に砂を運び込むなどの復旧工事で開設に漕ぎつけた事例はあるが、極めて稀なことだ。


●砂浜の浸食

一般的に海岸に防波堤や構造物が新設されると、海流が変化し海岸線の地形が変わる。当地でも柏崎刈羽原発設置の影響で海岸線が大きく変化した。浸食で砂浜がなくなったり、堆積で新たな砂浜ができたりしている。上述の海水浴場閉鎖につながる砂浜の浸食について、専門家によれば「川から流れ出して海岸に沿って堆積する砂が河川の護岸工事などが進むことによって減っている一方で、波によって砂浜から流されるのは変わらないため、砂浜が浸食してやせ細っている状況」と説明する。また「砂浜は波の力を弱める緩衝帯の役割も果たしていて、生態系にとっても貴重な場になる。この状況を踏まえて、対策を検討しなければいけない」と警鐘を鳴らす。

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