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蓮池透の正論/曲論

蓮池透(元東京電力原子力エンジニア)

蓮池透

韓国放送公社(MBS)が取材 福島第一原発汚染水海洋放出

ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00200/20230616054000110315 //////////////////////////////////////////////////////////////// 蓮池透の正論/曲論 https://foomii.com/00200 ////////////////////////////////////////////////////////////////  福島第一原発からの汚染水放出について、東京電力との約束が反故にされたと反対する地元、特に福島県漁連の声には耳を貸さず、日本政府と東京電力は、夏ごろの放出を強行しようとしている。韓国やIAEAの視察団を次々と受け入れるなど「地ならし」には抜け目がない。そんな中、韓国放送公社(KBSテレビ1全国地上波公営放送局)の取材を受けた。話の中で韓国からの視察団は不可解なものであることを知り驚愕した。 ●汚染水海洋放出を巡る最近の動き ⇒韓国視察団来日  東京電力福島第一原発で貯蔵される汚染水(ALPS処理水)の海洋放出計画を巡って、韓国の視察団が5月23日現地を訪れ、汚染水の保管状況や放出に向けた設備の工事の状況などを視察した。視察団は、団長を務める韓国原子力安全委員会の劉国煕(ユ・グクヒ)委員長や原発・放射線や海洋環境の専門家など約20人で構成される。これに先立ち、22日は都内で経済産業省や外務省、東京電力などから、計画の進捗状況などについて説明を受けた。  帰国後31日に記者会見した劉国熙委員長は、処理水データの管理方法や施設の長期的な点検計画などの資料を日本側に求めていくと説明。韓国メディアからは、海洋放出自体の是非を問う質問も出たが「放出計画が科学的に適切かどうかを評価する役割であり、答えるのは難しい」と述べたという。 ⇒基準値180倍のクロソイ捕獲  東京電力は6月5日、福島第一原発の港湾内で5月に捕獲したクロソイから、国の食品衛生法が定める基準値(1キログラム当たり100ベクレル)の180倍となる1万8000ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。魚が港湾外に出るのを防ぐ網を複数設置するなど対策を取っているとしている。  クロソイは大きさ30.5センチメートル、重さ384グラム。捕獲したのは1~4号機海側の防波堤で囲まれた場所で放射性物質の濃度が比較的高い排水が流れ込んでいる。今年4月にも同じ場所で捕獲したアイナメから1200ベクレルのセシウムが検出されていた。 ⇒IAEA事務局長 7月来日  福島第一原発の汚染水の海洋放出をめぐり、IAEA(国際原子力機関)のグロッシ事務局長が7月上旬に来日し、岸田文雄首相に安全性についての包括的な報告書を手交する方向で調整している。首相は、報告書の内容を踏まえて放出時期を最終判断するという。  グロッシ氏は首相との面会のほか、現地訪問も検討している。IAEAの調査団は、5月末から6月初めに現地を視察しており、月内にも報告書を公表する見通し。調査は、汚染水の安全性が国際基準をクリアしていることを示すため日本政府が依頼していた。 ●韓国放送公社(KBS)からの取材依頼  KBSテレビ1全国地上波公営放送局のL氏から取材依頼があった。同局で毎週放送している1時間のレギュラー番組「KBS時事直撃」で汚染水問題を取り上げたい。日本国内でも海洋放出には賛否両論があると聞いており、汚染水放出のどこが問題なのか意見を聞きたい。韓国国内の世論では、トリチウムによる身体的影響や水産物への被害などが憂慮されている。また、東京電力の隠蔽体質もあり、今回も同じことが起きるのではと反対する声が高まっている。取材の主旨は、このようなものだった。  私は、日本国内よりも意識が高いことに複雑な心境になりながら取材に応じ、次のとおり反対する理由を述べた。 ・地元の了解を得ないまま強行しようとしている。また、国内のみならず国際問題(もち  ろん韓国も)であるのに、コンセンサスが何ら得られていない。 ・基準値以下に希釈するというが、事故で一体基準値の何万、いや何百万倍の放射性物質  を放出したのか、これ以上環境汚染をしてはならない。 ・トリチウム以外の核種が含まれており、東京電力は分析を除外する各種に関して明確な  データを開示していない。また、処理済みの汚染水でも放射性物質がタンク内で偏在し  ている可能性があり、サンプリング分析の信憑性に疑念が生じる。 ・海洋放出以外の選択肢について、検討がなされていない。保管場所がないというのは、  あくまで東京電力の財政的な都合にすぎず、石油備蓄基地並みの巨大タンクに保管して  減衰を待つ選択肢もある。 ・今後何十年放出し続けるのかも明言していない。おそらく50年以上に及ぶだろうが、
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