… … …(記事全文2,129文字)欺瞞その三:「平和外交」という名の思考停止
【3行まとめ】
・日本の政治家が定義もせずに連呼する「平和外交」は、現実逃避のための思考停止の呪文に過ぎない。
・冷戦の「特殊な環境」に依存し、変化に適応できなかったことが、日本の失われた30年と衰退を招いた。
・真の「平和外交」とは、相対的自立を高めつつ米国のコミットを維持し、中国を抑止する高度な力学の行使である。
三回にわたりお伝えしてきた「三つの欺瞞」の解体。最終回となる本日取り上げるのは、戦後日本が最も深く、そして心地よく浸ってきた毒杯、「平和外交」という名の思考停止です。
日本の政治家たちは、まるで慣用句か念仏のように「平和外交」という言葉を連呼します。しかし、その言葉を明確に定義して使っている者が果たして一人でもいるでしょうか。
「日本は必要最小限の軍備しか持たず、他国に脅威を与えず、外交努力によって平和を実現する」
この一見美しい響きの言葉は、冷徹な国際政治の現場においては、欺瞞の極致と言うほかありません。私たちは今、ウクライナ戦争やトランプ政権によるベネズエラ軍事侵攻という、暴力的な現実を目の当たりにしています。そこにあるのは「最後は軍事力がものを言う」という、人類の歴史が冷酷に証明し続けてきた真理です。
戦後日本が侵略されずに済んだのは、日本が平和を愛していたからではありません。全土を世界最強の米軍が基地化し、圧倒的な武力によって睨みを利かせてきたからです。 いわば、ヘビー級プロレス王者の背後に隠れて、「私は武器を持たない平和主義者です。他国の善意を信じています」と微笑んでいるようなものです。この滑稽な構図を「平和の先進国」と呼び、恥ずかしいと思わない感性こそが、戦後レジームが国民に植え付けた最大の歪みなのです。
そもそも、日本が「軽武装・経済特化主義」で一人勝ちできたのは、

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