… … …(記事全文4,264文字)2025年9月10日、米国ユタ州のユタ・バレー大学で、保守派若者団体「ターニングポイントUSA(TPUSA)」の創設者であり代表を務めてきたチャーリー・カーク氏が暗殺されました。事件は世界を震撼させ、米国内外で大きな波紋を呼んでいます。容疑者として逮捕されたのは22歳のタイラー・ロビンソン。検察は彼を単独犯と断定し、犯行直後に同居人へ送ったとされる「自白テキスト」を証拠として提示しました。
しかしこのシナリオは、あまりにも出来すぎているのではないか。若年単独犯、すぐに流布される自白メッセージ、極端な政治的言説――これらは過去の政治テロ事件で繰り返し使われてきた“定番の犯人像”そのままです。米国の主要メディアは一斉に「陰謀論を退けよ」と報じましたが、逆に「これは台本通りではないのか」という疑念を一層強める結果となったのです。
ここで重要なのは、カークが何を語り、何を信じていたかです。彼は最後の数か月で、従来の「親イスラエル派の論客」から一転し、イスラエルの行動に対して批判的な立場へと踏み込んでいました。そしてその言葉は、米国保守運動内部における“最大のタブー”を突き破るものでした。
イスラエル擁護から批判へ――カークの変心
カーク氏は長年、イスラエル支持を公言し、ネタニヤフ首相を称賛してきました。2019年にはイスラエル右派団体の招きでエルサレムを訪問し、親イスラエル派の象徴的存在となっていました。
しかし2025年夏、彼の言葉は変わりました。ガザでの戦闘において、女性や子供を含む数万人が犠牲になっていく現実を前に、彼ははっきりと語ったのです。「これは民族浄化だ。ジェノサイドだ」と。
さらに彼は、米国政界を震撼させるもう一つの言葉を口にしました。「エプスタインはブラックメール・オペレーションのための存在だった」。すなわち、ジェフリー・エプスタインは単なる性犯罪者ではなく、米国の要人を弱みで縛るために存在し、その背後にはイスラエルの情報機関モサドが関与していた可能性がある、という認識でした。
これらの言葉は、米国社会の支配構造の最深部に触れるものでした。イスラエルを絶対に批判してはならないという“鉄則”を破り、さらにモサドとエプスタインの関係を口にしたのです。これこそが、彼の命を奪う動機となり得る“語り”だったのではないでしょうか。

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