… … …(記事全文3,609文字)大問題に発展したホームタウン構想ですが、やはり労働者の確保が背景にあることがはっきりしました。それは、自民党や国民民主党の議員の発言からも明らかになっています。以下、要約です。
山田良彦国民民主党参議院議員
「海事都市推進会議というのがありまして、会長をやっておりました。今治は造船所の街で、人手が全く足りていません。毎年300人従業員が足りていません。労働者の外国からの受け入れという方向から検討して、実際にモザンビークという国と話し合いをしてみて、従業員を受け入れる調整ができる人材を探してみたいということが発端だったんです」
今治と聞いて、造船所の労働力確保が目的ではないかと思いましたが、やはりそうだったのです。造船業界ではかねてから人手不足が深刻で、国土交通省の調査によれば、全国の造船所で若年技能工の不足が続いており、2023年度時点で推定1万人規模の人材が欠けているとされています。これがアフリカとの「ホームタウン」交流に結びつけられたわけです。
私はかねがね、技能実習などの名称で東南アジアから低賃金労働者を導入する政策に反対してきました。なぜなら欺瞞だからです。技能実習といったところで、実際には外国人を低賃金労働者として入れるのが目的なのは明らかです。子供のころ、まだ貧しかった中国から技能実習の名の下にたくさん来ていたのを覚えています。母親が気の毒がって色々なものをあげていました。制度上は「日本の技術力を海外に輸出する国際貢献」の一環と説明されていましたが、子供心にも実態は外国人労働者の搾取に見えたものです。
その後、中国は急速に豊かになり、ついにはGDPで日本を抜き去りました。結果として技能実習の対象は東南アジアに移り、ベトナム、タイ、カンボジア、ミャンマーなど、より低賃金で働かざるを得ない人々が対象となりました。法務省の統計によれば、2022年末時点で日本に在留する技能実習生の国籍別内訳は、ベトナムが約17万人で全体の約60%を占め、次いで中国、インドネシア、フィリピン、ミャンマーと続いています。いまや東南アジアからの確保すら困難になり、ついにアフリカ人労働者に目を向ける段階に至ったのです。
技能実習制度の欺瞞と「低賃金構造」
一部産業で労働力不足が深刻なのは事実でしょう。しかし問題の本質は、

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