… … …(記事全文3,449文字)普通なら辞めて当然の石破総理が、世論の非難にも頑なに退陣を拒んでいます。それを可能にしているのは、自民党内における力学の根本的変化です。これについては後段で詳述いたしますが、まずは先般発表された日米経済連携の目玉「5500億ドルジョイントパートナーシップ」について、極めて看過できない事実が明らかになってきました。
当初、「これは日本企業による対米直接投資のストック総額であり、あくまで既存の民間投資である」とする見方が流布されました。私もその可能性を疑いませんでしたが、最新の米商務省及び経産省の説明を検討する限り、それは誤りでした。実態は、「日本が資金を拠出し、アメリカが使途を決定し、利益の90%をアメリカが取得する」という、主権国家間の協定としては信じがたい、一方的スキームです。
これはもはや「経済連携協定」ではなく、“属国的経済供与条約”と呼ぶべき代物です。
「出資は日本、指揮はアメリカ、利益もアメリカ」の構造
この5500億ドル(2025年為替水準で約82兆円)という巨額資金は、どこから拠出されるのか。政府は依然として具体的な財源を明示しておりませんが、関係者の証言と報道から、以下の3ルートが動員されることが判明しています。
1. トヨタ自動車(内部留保22兆円)、ソニーグループ(同4兆円)、三菱商事(同2.6兆円)など大企業による直接投資
2. JBIC(国際協力銀行)、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人、運用資産約225兆円)など政府系ファンドによる出資
3. 三菱UFJ、野村HD、大和証券、みずほFGなどのメガ金融機関による米国インフラ債、グリーンボンド等の購入
つまり、日本国民の年金・預金・税金までもが、アメリカの雇用創出とインフラ整備に使われるのです。
しかも、2025年4月25日にワシントンで開催された米日経済閣僚会合の共同記者会見で、ベッセント米商務長官がこう言い放ちました。
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