… … …(記事全文2,945文字)前回のメルマガでは、台湾侵攻のリスクを回避し、日本に対する“静かなる侵略”──いわゆるサイレント・インベージョンに注力する中国共産党の戦略転換について述べました。今回はその具体的な実態を明らかにし、日本がいま直面している“見えざる戦争”の深刻さに迫ります。
この戦争には、銃弾も戦車も登場しません。むしろ制度、教育、情報、価値観といったソフトパワーの領域を戦場とする、“情報戦”の最前線に私たちは立たされているのです。その中核にあるのが、中国共産党が誇る「統一戦線工作」であり、相手国の制度と国民意識を静かに変質させる間接侵略の巧妙な手口です。
実際、近年の日本の政治・社会空間では不可解な現象が次々に発生しています。保守を標榜するメディアが突如トーンダウンし、与党政治家が中国に対して異常なまでに寛容な姿勢を見せる──これが偶然であるはずがありません。私たちはいま、明確に“情報戦”を仕掛けられているのです。
中国共産党の世論工作は、軍事力ではなく言論と情報空間において最大の威力を発揮します。彼らはまず、ジャーナリスト、学者、宗教者、芸能人、政治家といった影響力のある人物をターゲットに定め、文化交流や経済協力の名目で接近します。背後では国家安全部や統一戦線工作部が諜報活動を展開し、親中的な立場へと誘導していくのです。
各セクターへの浸透工作──“静かなる侵略”の実態
この巧妙な工作は、もはや国家の中枢を包囲する段階に達しています。
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