ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00194/20221031234939101367 //////////////////////////////////////////////////////////////// 山岡鉄秀の対外情報戦で勝ち抜けろ! https://foomii.com/00194 //////////////////////////////////////////////////////////////// イギリスでトラス首相がわずか在任45日で首相の座を追われました。この前代未聞の事態は一般にはトラス首相の経済政策の失敗が原因と言われていますが、実はEU残留を希望するグローバリスト勢力によるクーデターだったと言われています。後任となった首相はなんとインド系のリシ・スナク首相。42歳という若さのエリートです。インドではインド系子孫がかつての宗主国のトップになったと話題のようですが、このスナク氏、見た目はインド系でも中身はゴリゴリのグローバリストだと言われています。そのひとつの証拠は、早速、気候変動問題を強調していることです。オックスフォード大学卒で、フルブライト奨学金を得てスタンフォード大学へ留学。政治家になる前はゴールドマンサックスを皮切りに投資ファンド渡り歩いた筋金入りの金融マン。典型的なグローバリストです。 気候変動問題に熱心な人には二種類いると思います。ひとつのグループは、単純に国連などが発表する二酸化炭素による気候変動問題を信じている人たち。もうひとつは、クラウス・シュワブの世界経済フォーラムに代表される、グレートリセットのアジェンダを遂行しようとしているグローバル・エリートたちです。彼らは気候変動にかこつけて意図的に世界経済を破壊しようとしているように見えます。トランプ政権でエネルギー輸出国に返り咲いたアメリカが、バイデン政権になった途端に輸入国に転落し、世界的なエネルギー需給のひっ迫を招いていますが、反省する素振りも見えません。 どうやら、彼らは意図的に世界経済を疲弊させ、混乱に貶め、個別国家に主権を廃棄させ、中央集権的でトップダウンの世界統一政府を作ろうとしているように見えます。彼らが堂々と掲げている2030年グレートリセット・アジェンダを見れば、最終的には少数のエリートがハイテク(第四次産業革命)を駆使して疑似共産主義社会を作り出そうとしているのがわかります。その為には人口を相当数減らす必要があり、人口削減も彼らにとって重要なトピックのひとつになっています。 その結果として、世界ではグローバリストと国家主権、独自の文化伝統を守ろうとするナショナリストの間で熾烈な戦いが繰り広げられています。この戦いは、アメリカに顕著なように、国家内で国論を二分して戦われている他、国対国の戦いにも発展しています。今、世界で起きている様々なことは、前述のイギリス首相の電撃交代やウクライナ戦争、コロナパンデミックも含めて、このグローバリスト対ナショナリストの戦いという構図を抜きにしては理解できないのですが、日本の政治家や官僚、さらには知識人でこの視点を持っているのはほんのわずかのようです。政治家や官僚の多くは、よく理解もしないままに支配されているのが現状でしょう。 私は海外生活が長く、グローバル企業でも勤務しましたので、グローバリズムという名の覇権主義を信奉するグローバリストたちの恐ろしい発想がよくわかります。グローバリストに支配される世界は、恐ろしい人権侵害の管理社会になることは間違いありません。日本人にはこのグローバリズムの脅威から日本国を守り、ひいては世界を救う責務があると思いますが、その日本人には対グローバリズムの観点から、強い面と弱い面の両方があります。 まず、強い面ですが、日本は適度に孤立しながら長い歴史を持つ国で、独特の文化、伝統、言語、習慣を持っています。そして、これらがろ過装置となって、外来の物事を日本人に適した形に変容させてしまいます。たとえば儒教、仏教でも、日本に合わないものは捨象され、日本人にとって受け入れやすい要素が受容されていることがわかります。一方で、厳格なルールの適用が求められるイスラム教は全くと言っていいほど入らなかったし、キリスト教も限定的です。表面的にはいいものは何でも節操なく取り入れているように見えても、実際には独自のフィルターで保守性を維持しているのが日本文明です。… … …(記事全文5,145文字)
山岡鉄秀の対外情報戦で勝ち抜けろ!
山岡鉄秀(情報戦略アナリスト)