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最近、なんでモテる男とモテない男がいるのでしょうか、という極めて直球ど真ん中の質問を受けた。
そう言えばメルマガできちんと説明していなかったし、最近は動物行動学的話題から外れた話題が多いなあ、と反省し、この話題を取り上げたい。
おさらいになる部分もあるかもしれないが、ご容赦いただきたい。
なぜモテる男とモテない男が問題であり、モテる女とモテない女ではないのか。
確かに女にもモテ方に違いはあるが、そもそも人間も含め動物はメスがオスを選ぶ、が大原則。
だから、男のモテ方のほうに差があるのである。
早速結論に至ったが、これしか説明のしようがない。
それではなぜ、メスがオスを選ぶのだろうか。
それは一回の繁殖にかかるエネルギーが多く、拘束時間も長いほうがそうでないほうを選ぶという構図ができあがるからだ。
人間を例にとるなら、女は一度妊娠したなら、妊娠期間、出産、授乳期間、その後の子育てと次々となすべきことがあり、次の子を得るチャンスは数年先。
もちろん大変なエネルギーを必要とする。
しかし男の場合、一度射精したなら、次の繁殖の機会は精子が回復したとき。
数日後とか、その日のうちということだってある。
そうすると、女は同じ繁殖をするなら、できるだけ質のよい相手をじっくりと選ぶ必要がある。
しまったと思っても次の繁殖まで数年待たねばならないのだ。
他方、男は繁殖のチャンスはいくらでもあり、じっくりと女を選ぶなどというバカなことをしてはならない。
女さえOKすれば、即、行動に移すべきなのだ。
こうして女が男を選ぶ構図ができるが、人間の場合、男も多少育児に関わるし、お金も稼ぐ。
その分においては女を選ぶ余地があると言えるだろう。
メスがオスを選んでいると、オスは自分の質のよさをアピールする必要に迫られる。
鳥で美しいのはオス、歌を歌うとか、ダンスを披露するのもオスなのは、それらによって自身の質のよさをアピールしているからだ。
しかしながら鳥でもシギ、チドリの仲間に限ってはメスのほうが美しい。これはいったいどういうことなのか。
実は、シギ、チドリではメスが卵を産むとオスに預け、次のオスのもとへ行ってしまう。
メスは卵を産むというエネルギーは使うが、その後の抱卵、ふ化したヒナの世話などをすべてオスに任せる。
よってオスのほうが一回の繁殖にかけるエネルギーが多く、拘束時間も長くなる。
そうしてオスがメスを選ぶという普通とは逆の構図ができ、メスのほうが美しくなるのである。
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