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この鷲の絵は孫のりうが9歳の時に描いたものです。
私の大腸がんが見つかったのは今から20年前のことである。早いものでもう20年か!!大腸がんが見つかった時は、そりゃもう大騒ぎだった筈だが、20年経つともうすっかり忘れ去られている。がんが見使った時私は65歳。
不思議なもんですね。当時は「転移」が心配な訳で,大腸がんの次が肺、でまだ先があって肝臓、あーあ肝臓まできちゃったよ。次は大脳かなあ、一応心の中では脳までの転移の準備はできていた…と、言うと「なんで準備なんか・・・」、「脳はない、ない」って必死に打ち消していたくせに「脳」までの転移の(心の)準備は出来ていた訳なんかある訳はないのだ。
20年経った今こそ「不安」は消えているものの、当時は不安だらけだったのだ。
不安とはちょっと違うが、私の受け持ちグループのリーダーだった看護師Aさんにある部屋に呼ばれた、それは手術に入る直前だった。がらーんと広い部屋の片隅にベッドがあり、もう片方の壁側にトイレがむき出しに置いてある。なんか拷問室??を連想させて入室を躊躇わせる雰囲気が漂う。
やがて判明する。手術前に腸内を空っぽにするための「浣腸部屋」だったのだ。一連の作業をやってくれるAさんが超可愛いだけに、いい年の男が恥ずかしがっていた。
ここまで書いてああそうだ、本を見れば手術前後の詳しい状況が分かる筈だ。本棚に残っている『がん患者』(講談社)見てみよう。同書から一部引用する。
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