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藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~

藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)

藤井聡

高市総理は何を宣言したのか――「緊縮国家」からの歴史的離脱と、進退をかけた解散

2026年1月19日、高市早苗総理大臣の記者会見(文末に全文掲載)は、日本の政治史における決定的に重要な分岐点を示すものとなりました。

 

高市総理は、戦後政治において類例を見ない、自らの「進退」をかけた「巨大な転換」を宣言したのです。

 

そして、その巨大な政策転換を、本当に「この高市」に託すのか否かを国民に問うために解散する、この選挙に敗れれば総理の職を辞す――そう宣言したのです。

 

しかしネット上を拝見していると、多くのメディアや国民は、その「政策転換」の巨大さを十分に理解しておらず、それ故に「なぜ今解散なのか?」といった声が散見される状況にあるように思われます。

 

例えば、「なぜ今解散なのか?」について言うなら、これだけ巨大な転換を果たす以上、「速やかな解散・選挙」が求められるのは当然です。ただし、当面の物価高対策などについて年末までの時間が必要であったため、解散の時期がこの年始となったのです。

 

ついてはここでは、その政策転換の巨大さを一つ一つ解説して参りたいと思います。

 

■■国民に信を問う。だから、負ければ総理を辞する。

 

まず、高市総理は冒頭にて、自身の政治的決断を次のように述べています。

 

「高市早苗が内閣総理大臣でよいのかどうか。今、主権者たる国民の皆様に決めていただく。」

 

この一文は、総理自らの進退を、国民の判断に委ねるという強い構えを示しています。

 

現職首相がこうした表現を用いるのは異例です。歴代総理の中でここまで宣言した例は筆者の知る限り、全くいないのです。

 

もちろん、選挙で敗北したことの責任をとって辞職した総理は多くいます。しかし、歴代総理は選挙目標を宣言するものの、その目標が達成されなければ「辞職する」とまで言及することはありませんでした。

 

まずはこの一点においてだけでも、この解散は、これまでの解散と大きな差が存在すると言えるでしょう。

 

 

■■政策を大転換する。その是非を国民に問う。

 

 ではなぜ、高市総理は、この選挙に自らの進退をかけるとまで宣言したのでしょうか。その理由を考えるにあたり、まず、以下の一文に着目してみましょう。

 

「高市内閣が取り組み始めたのは、全く新しい経済財政政策をはじめ、国の根幹に関わる重要政策の大転換です。」

 

つまり、「国の根幹に関わる重要政策の大転換」が高市内閣によって始められたわけですが、高市総理はこの大転換について、

 

「国民の皆様に正面からお示しし、その是非について堂々と審判を仰ぐことが民主主義国家のリーダーの責務」

 

だと考えたのであり、それ故に「解散」という重い決断をしたのです。

 

 

■■「緊縮」から「責任ある積極財政」へ――大転換の中核はここにある

 

では、解散が求められる程の「積極財政への転換」とは一体何なのでしょうか―――この点について高市総理は明確に

 

「本丸は責任ある積極財政」

 

であると述べています。

 

つまり、高市氏は、…

… … …(記事全文12,886文字)
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