… … …(記事全文5,165文字)この6月に出版する本の内の一つが,玉木政策,の解説本.
これまで玉木さんと二度三度と対談してきたのですが,その対談内容を紹介しつつ,それぞれの対談について,当方から「解説」を加える,というもの.
その内の一つがコチラ.本メルマガの皆さん限定で,一足先にご紹介差し上げますw
是非,ご一読の上,ご関心お持ち頂けましたら是非,6月に出版予定の「玉木政策徹底解説本」を,お取り寄せ願えると幸いですw
どうぞよろしくお願いします!
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第1章解説:「玉木経済論」は,理論的に言えば,極めて理性的な「機能的財政論」である.
玉木氏と当方で議論している経済政策論は,一言で言うなら,
「経済が調子悪ければ,積極財政を展開し,調子がよければ,積極財政を緩和し,緊縮財政的な財政運用を行うべし」
というものです.この考え方は,経済学の分野では,アバ・ラーナーの「機能的財政論」と呼ばれる,極めてスタンダードで一般的な経済理論です.これは,「経済安定化を目的として財政的手段を柔軟に活用することを提唱した理論」と言い換えることができます.
しばしば,政治の世界には「緊縮財政派VS積極財政派」の対立がある,と指摘されることがあります.積極財政派はしばしば,緊縮財政の立場にある人達から「あいつらは兎に角減税しろ減税しろといい,兎に角政府支出を増やせ増やせといっている」と言われ,「所詮あいつらは,選挙での人気取りのために,民を甘やかす減税や支出拡大を言ってるだけのポピュリストに過ぎん野田」なぞと言われますが,それは全くの誤解です.
そういう言説は単なる「誹謗中傷」の類いの「濡れ衣」に過ぎません.
積極財政派の多くの人々の主張は,よくよく耳を傾けて聞いてみれば,決してそうした「兎に角減税しろ,政府支出を拡大しろ」という非合理的で乱暴な主張ではありません.積極財政派の平均的な主張は,本章で当方と玉木氏が論じたような「帰納的財政論」の主張に過ぎないのです.
そして今,玉木氏や当方らが減税や支出拡大を主張しているのは,日本経済が極めて厳しい状況にあり,貧困化が拡大し,国勢が衰退している状況にあるからなのです.仮に今の日本が十分に成長しており,(デマンドプル型の実質的な賃金上昇を伴う)インフレが過熱気味な状況であるなら,我々はそろって「増税」や「支出抑制」を主張するのです.
例えば,こちらのグラフをご覧下さい.
図 日本の名目GDPの推移(1980~)
これは,名目GDP,つまり,我々日本国民の所得の合計値(あるいは,出費の合計値)のグラフですが,ご覧の様に1997年まで,拡大し続けてきたのですが,それ以降,全く拡大できない状況になってしまっているのです.これは一般にマクロ経済の世界では「デフレーション」(デフレ)と呼ばれる状況に突入したからです.
「機能的財政論」の視点で言うなら…
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