… … …(記事全文2,893文字)当方先日,
「103万円の壁問題は「178万円玉木案」こそ正当だ…!それ未満の自民党案が財務省的な緊縮思想に基づく「屁理屈」といえるワケ」
https://gendai.media/articles/-/143140?page=1&imp=0
なる記事の中で,年収の壁は,憲法の生存権の視点から言って178万円でなければならない,自民党の123万円案は極めて不当な「憲法違反だ」,といことを解説いたしました.
こうした議論についてネット上では,「生存権なんて関係無い」なる言説がチラホラでてきていますので,そういう言説こそが,「年収の壁」を法理論的に検討していない「トンデモない言説」だということを,ここでは明確に解説しておきたいと思います.
そもそも 103万円の壁が決められた30年前の最低賃金は611円で、平均的な時間働けば、年収はちょうど103万円となるのです.
具体的に言いますと,一日の所定労働時間は7時間で,年間の所定労働日数は241日なので,そうやって定められる「所定年間労働時間」を611円で働くと,約103万円(厳密には103万757円)となるのであり,これこそ,最低賃金に基づいて想定される「最低年収」というべき年収となっているわけです.
そして,最低賃金というのは…
藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)