… … …(記事全文2,143文字)なかなか絶望的な政治状況についての報道ばかりが続きますが,生きてる以上,自暴自棄になるわけにもいかず,自暴自棄になるわけにもいかないとなれば,政治にも興味関心を向けざるを得ないということにもなります.
そんな話しを,本日,とある場所につらつらと書いてみましたので,会員の方限定で,当該原稿出版前にご紹介さし上げます.
どうしようも無い状況が続きますが,どうにかこうにかやって参りましょう!
都知事選総括:ポピュラリストによるポピュリストの完全凌駕
東京都知事選挙は大方の予想を裏切り,順当に勝利した小池氏に次ぐ二位が蓮舫氏ではなく元安芸高田市長石丸伸二氏となった.この結果だけでも世間に大きな衝撃を与えたのが,さらに衝撃的だったのがその選挙投開票当日のテレビ各局のインタビューワー達に対する石丸氏の対応の「非常識」さだった.石丸氏は彼らからの質問に対してまともに答えず,はぐらかし,喧嘩腰の対応を繰り返した.無論,石丸氏の「非常識」なその対応に対して批判が殺到する炎上状態となったが,そうした石丸氏を弁護する有名人達も多数現れ,石丸氏の人気は一定以上残存する状況となっている.
しかし,今回の都知事選の主要三候補である小池,蓮舫,石丸はいずれも「政策内容を度外視し,人気を得ることだけを図るポピュラリスト」であり,石丸氏だけが極端に異質というわけではない.ただ,石丸の大衆扇動アプローチが小池や蓮舫のそれと違い,TikTok等を活用した「切り抜き動画」を活用するものに「進化」しいるだけの話しで,その基本構図は寸分違わない.
ところで日本では「ポピュラリスト」という言葉は一般的でなく,その代わりに「ポピュリスト」という言葉が使われている.実際筆者も,(ポピュラリストという言葉があまりにもマイナーであるため)ポピュリストという言葉をポピュラリストの意味であえて使うことも多い.しかし本来ポピュリストという言葉は…
藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)