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藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~

藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)

藤井聡

維新・馬場代表「大阪都構想,三度目の住民投票」を発言.それは,民主主義の原則も,住民自治の原則も完全に破壊する「絶対許してはならない」最低最悪の問題発言である.

驚くべき事に,維新の馬場代表が,大阪都構想「3度目チャレンジしたい」と発言していることが報道されました.

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6503921

 

大阪都構想と言えば,これまで一度ならずも二度も,直接の住民投票で「否決」された維新提案.

 

一度目の否決の際には,当時の橋下大阪市長は,

「最後、この結果は本当に悔いなし、リベンジはないです」

と再住民投票を明確に否定し,二度目の否決の際には,吉村大阪府知事の

「僕自身が大阪都構想に政治家として挑戦することはもうありません。もうやり切ったという思いです」

と,同じく,自身が再住民投票に関わることを明確に否定したもの.

 

さすがに,この馬場宣言を受けても,吉村府知事は「今も考え方は変わらない」と発言していますし,横山大阪市長も「今時点で何も議論は動いていない。実施の有無含めて現段階では白紙」と馬場氏への賛同の意は表明していません.

 

住民投票・選挙というものは,結果が出るまでは様々な議論が展開されるものですが,一旦結果が出れば,その結果を有権者全員が受け入れることを義務付けることを前提に行われるもの.それが民主主義の最低限のルールです.

 

したがって馬場代表も,過去の住民投票で否決された結果を受け入れることが「義務」を負っているわけです.ですから,民主主義の前提となるその「義務」を無視する今回の馬場発言は,法治国家の前提を破壊する極めて深刻な問題発言なのです.

 

もちろん,前回の住民投票の時か大きな根本的時代変化があるなら,再度の住民投票が正当化されることもあり得るかもしれませんが,そういう変化は全くありません.そもそも馬場代表も再度の住民投票が必要となるような大きな変化があったと言うことについて一切言及していないのです.

 

そもそも大阪都構想というものは…

… … …(記事全文2,591文字)
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