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藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~

藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)

藤井聡

【最悪の骨太方針】岸田氏は「PB規律」のために増税を繰り返し,「予算増333億円以上規律」のためにあらゆる予算増を阻止するという,日本を地獄に落とす政治決定を行った.

ついに待ちに待った,今年の「骨太の方針」の中身が,この度公表されました!当方がその中でも特に注目していたのはもちろん,

 

【PB規律】2025年度プライマリーバランス黒字化目標

【333億円規律】3カ年で,非社会保障費の増加は1000億円以下にする

 

の二つ.

 

そもそもこの規律の内,一つでも生き残れば,政府は積極的な財政支出が難しくなってしまうからです.しかもそんな中で少子化対策だ,防衛力増強だ,国土強靱化だと言い出せば,「増税」やら「社会保障費増」をやらざるを得なくなります.何と言っても,プライマリーバランス(要するに政府支出と政府の収入との収支)を黒字化したり, 3年間の予算増分を1000億円以下にしようという厳しい「制約」下で,支出を増やそうとすれば,増税や社会保障費増を行うことが「必須」(マスト)になるからです.

 

つまり,今の岸田総理は誰もが認める「増税メガネ」ですが,彼がそうならざるを得ないのは,「PB規律」なり「333億円規律」なりを生真面目に守っている(というより,財務省による各種の“脅し”に屈する形で守らされている)からなのです.

 

で,岸田氏が増税メガネを続ける限り,25ヶ月下落し続けている実質賃金が持続的に上昇していったり,四半世紀以上継続している「デフレ状態」(ないしはスタグフレーション状態)から脱却し,日本の衰退が食い止められ,再生されることなど「万が一」にも起こらないのです,

 

したがって,今回の骨太の方針にPB規律なり333億円規律なりが明記されるか否かは,日本が再生されるか,このまま二流国,三流国へと転落し続けるかを占う上で,極めて重大な意味を持つものだったのです.

 

だから例えば,自民党の政務調査会の積極財政議連は,この二つの規律の「撤廃」を継続的に主張し続けきたわけですし,当方は,「平成版」と「令和版」の二冊にわたって

 

「プライマリーバランス亡国論」

(コチラは,2年前に出版した令和版のプライマリーバランス亡国論です:

https://www.amazon.co.jp/dp/4594091806

 

を出版して参ったのですが…今回の骨太の方針の中身を見て,実にガックリと激しく落胆いたしました…

 

当方が懸念していた通り…

… … …(記事全文3,980文字)
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