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藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~

藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)

藤井聡

自民党「裏金問題」の本質は「未記載による法律違反」ではない。企業との癒着による政権与党「腐敗」である(前半)

今、世間を騒がせているのが、自民党の各派閥のパーティー収入の未記載問題。これ何が問題かというと、派閥がパーティをやって、そのパーティー券を各議員が売りさばくのですが、

第一に、その売上げが、派閥の経理でしっかり記録されておらず、裏金化しているという点。

第二に、その裏金の一部が、各議員の裏金になっているという点。

 

本来なら、20万円を超えていたら記載しなあかんのに、記載していない。

この「未記載」が、政治資金規正法の法律違反だ、というので、大騒ぎになっているわけです。

 

最初にいわれたのが…

・清和政策研究会(安倍派)約1900万円、

・志帥会(二階派)が約900万円、

・平成研究会(茂木派)が約600万円、

・志公会(麻生派)が約400万円、

・宏池政策研究会(岸田派)が約200万円。

というものでしたが、この金額も日増しに拡大している様子。

「逮捕者」が出るのは確実だっていうことで、岸田総理も大慌てで「蜥蜴の尻尾切り」を日々、続けています。

 

特に、安倍派に対する追求が激しく、

安倍は五人衆と言われた、

 

松野官房長官

萩生田政調会

西村経産大臣

高木国対委員長

世耕参院幹事長

 

全員が全て、キックバックで裏金を作っていた…ということが報道され、彼ら「全員」が、それぞれの政権要職を「更迭」になる、との見通しです。

 

また、安倍派の

大野参院議員が5千万円超

池田衆院議員が4千万円超

谷川衆院議員が4千万円超

の裏金をそれぞれ作っていたということも報道されています。

 

…というのが、一般的な報道内容をまとめたものです。

 

多くの国民は、「何だか自民党が凄いワルイコトしてる!」という風にイメージで思っていると思われますが、一体何がどう悪いのか、いまいち、理解していないんではないかと思います。

 

こういう問題は、「法的」に一体何が問題なのか?っていう話しと、「道義的」に一体何が問題なのか、っていう話しを分けて考えないと、事の本質を見誤る事になります。

 

まず、「法的」に一体何が問題なのかというと、彼らが「政治資金規正法」という法律で定められている「20万円以上の政治献金(この場合はパーティ券収入)を、正式に記載し、万人が見られるようにオープンにしておかねばならない」というルールに違反し、20万円以上の収入があったのに、正式に記載しなかった、という事が問題になっているのです。

 

つまり、ただ単に、「記載しているべきものを、記載していなかった」という事が問題となっているのです。

 

だから、こういう問題は、場合によっては、「記載漏れがありました、僕はちゃんとやれって言ってたのに、秘書が間違えて書かなかったんです…ごめんなさい。だから、きちんと記載するように訂正しておきます」というだけで、お咎めなしになる可能性があるわけです。

 

というか、そうやって言い逃れし、無罪放免となってきたケースは過去に山ほどあったのです。

… … …(記事全文2,493文字)
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