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藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~

藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)

藤井聡

岸田総理の「異次元の少子化対策」は完全な間違い。やればやるほど「子供が減る」最低の愚策である。要は、「総理が岸田だ」という一点こそが、日本最大の危機なのである。

岸田総理の「少子化対策」について、あれこれ質問を受けましたので、下記に、その回答をご紹介さしあげます。

 

読めばスグ分かると思いますが、要するに、岸田少子化対策は「効果が無い」どころか「やればやるほど子供が減る」という最低の愚策なのです。

 

こんな事をやってしまう人間が総理大臣なのだという一点こそが、今日の我が国最大の危機なのです…。

 

 

【異次元の少子化対策は、「児童手当など経済的支援の強化」「学童保育や病児保育、産後ケアなどの支援拡充」「働き方改革の推進」の3つが柱とされています。大前提として、この三本柱を上手く推進できたとして、少子化は改善されるのでしょうか?また、政府は本当にこの三本柱を推進できれば少子化対策につながると考えているのでしょうか?】

 

全く期待できません。なぜなら、これらの対策は、少子化が進んでいる根本的理由、基本的メカニズムについての理解に基づくものではないからです。

 

詳しいデータはさておきますが、今日、少子化が進んでいるのは、

 

「出産最適齢期(35歳以下)の女性の婚姻率の低下」

 

が原因です。すなわち、未婚化/晩婚化、少子化の根本原因です。それにも拘わらず、「児童手当など経済的支援の強化」「学童保育や病児保育、産後ケアなどの支援拡充」「働き方改革の推進」はいずれも、未婚化/晩婚化を緩和する対策としては著しく不十分です。

 

【異次元の少子化対策の三本柱は具体的に何が問題なのでしょうか?また、政府はその問題に気付いていないのでしょうか?】

別の言い方をするなら、政府は、「結婚した女性が、子供を作るかどうか」という意志決定において、「子供をつくる」という選択肢を選択する確率を上げる対策が少子化対策だ、と思っており、したがって、「児童手当など経済的支援の強化」「学童保育や病児保育、産後ケアなどの支援拡充」「働き方改革の推進」という「子供をつくる」という選択肢を支援する対策を打ち出しているものと思われますが、そんな事をやったところで、子供は抜本的に増えないのです。

 

日本では、結婚していなければ子供が作れないし、晩婚化した女性がいくら子供を作ろうと思っても、できる確率は著しく低下するからです。

 

政府の対策は、根本的な戦略ミス、です。

 

要するに、ろくに原因も考えずに、「少子化対策だったら、こうした方がいいのかなぁ」というイメージだけで、政策を立案しているからダメなのです。

 

こんなことやったって、カネをつかうだけで、子供が増えない…それで増税でもされでもしたら、経済が悪くなって未婚化、晩婚化が加速し、さらに子供が減るでしょう。

 

ハッキリ言って、馬鹿…

… … …(記事全文5,157文字)
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