… … …(記事全文3,397文字)先日、ビル・ミッチェル教授との共著『インフレ時代の「積極」財政論』(https://www.youtube.com/watch?v=P8fcrDm2Eyw)を出版いたしましたが、この新著に基づいてこの度、東京MXテレビの東京ホンマもん教室で1時間かけて解説差し上げました。
東京ホンマもん教室『インフレ時代の「積極」財政論』
https://www.amazon.co.jp/dp/4828425764
ところが、東京ホンマもん教室が始まってもう4年目なのですが、その中でダントツで、Youtube動画のアクセス数が少ないのです!
確かに『インフレ時代の積極財政論』と言えば少々地味なタイトルかも知れませんが、今の岸田内閣が取り組まねばならない財政政策を包括的に論じたものであり、極めて重要な内容を取り扱っているものですから…大変残念でありました…。
ついては、本メルマガの読者の皆様にだけでも、そこでの議論の一部を、詳しくご紹介差し上げたいと思います。
下記にお示しするのは、
「デフレじゃなくて、インフレになれば、例えそれが、現下の日本のように単なる円安で産み出された「コストプッシュ・インフレ」(スタグフレーション)であっても、もうインフレだってだけで、国内投資が活性化され、経済が活性化していくのだ!」
というお話し。
これは世間一般どころか、専門の経済学者達ですら認識していない、超重要論点、です。
是非、下記ご一読下さい!
……
物価が上昇していくインフレは、物価が下落していく「デフレ」に比べると、実に多くのメリットがある。
その代表的なものが、インフレになれば、その原因がデマンドプルであるかコストプッシュであるかに関わらず、それがインフレだというだけの理由で、民間企業の投資は拡大していく事になる、というものである。
実際、下図に示した様に、投資(図中の実線)は、インフレ率が下げ止まり、上昇し始めた2021年半ばから急速に拡大し始め、(2019年10月の消費増税と2020年3月のコロナ上陸によって)低迷していた頃の85兆円程度という水準から実に15兆円も拡大し、今や100兆円近くの水準にまで至っていることが分かる。
図 投資(名目)およびインフレ率の推移
藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)