… … …(記事全文1,932文字)与謝野鉄幹「友を選ばば、書を読みて、六分の侠気、四分の熱」 琵琶湖畔で鑑賞しつつ内省し、自らの有り様を恥じ入る。
この週末、縁あって琵琶湖の白髭神社にお参りいたしました。
この神社、近江最古の神社であると同時に、(安芸の宮島の様に)琵琶湖の水中に鳥居があり、それが琵琶湖の象徴的景色の一つとなっていることでも有名な神社です。
で、この神社何の気なしにお参りしていると、与謝野鉄幹と与謝野晶子夫妻の歌碑がありました。
「しらひげの神の御前にわくいつみ これをむすへは人の清まる」
この白髭神社、その名が示すとおり長寿を祈る神社として有名だそうですが、まさに、その神社に相応しい歌です。
この白鬚神社の手水には湧き水(=いつみ)が使われているのですが、その清らかさに心を動かされた鉄幹が上の句をよみ、妻の晶子がその下の句を読んだものだそうです。
このご両名では、一般の方には与謝野晶子の方が有名かもしれませんが(何と言っても、樋口一葉の代わりにお札になる案もあったそうです)、当方はやはり、男子だからなのか、与謝野鉄幹の言葉に深い感銘を受けることがあります。
中でも有名な言葉が次の鉄幹の一句。
「友を選ばば、書を読みて、六分の侠気、四分の熱」
これは、鉄幹の「人を恋うる歌」の一節ですが、おそらく、この一節が一番有名なのではないかと…思います。
これは要するに…
藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)