… … …(記事全文2,955文字)今週のラジオ「おはよう寺ちゃん」で、洋上風力の話題に触れ、日本にとっては極めて有望な電力であって、是非とも進めるべきだ、と少し発言したところ、その発言について否定的なコメントが多数寄せられました。
https://www.youtube.com/watch?v=DDthvoraS1s
一番多かったのは、「兎に角風力はダメ」というコメント。例えば…
「風力発電要らんやろ、藤井ガッカリした」
「藤井先生のまさか風推しの発言。今後の日本経済が心配です。」
「藤井さんらしからぬ発言ですね。風力発電はダメでしょう。」
「まさかの洋上風力が日本のエネルギーに重要…理解不能…どうしたの」
「藤井さんは、洋上風力発電は推しなんや。意外。駄目やろ。」
どうやら、藤井は洋上風力には当然反対だと思っていたが、びっくりした、という認識が、結構幅広く世間にはあるようです。
しかし、洋上風力は極めて有望なのです。
まず、「洋上」は、陸上と違って、一定以上(秒速7m以上)の強い風が、基本的にコンスタントに吹いているのです。
したがって、洋上風力は陸上風力と違って「安定的な電源」となるのであり、「ベース電源」として活用可能なのです。
しかも、陸上では問題となる「環境」問題や「低周波」の問題、そして「景観」悪化の問題等が全て、人が周辺に住んでいない「洋上」では問題ではなくなる、という大きなメリットもあります。
そして何と言っても、我が国の排他的経済水域は、世界第六番目の広さであり、我が国は膨大な海域をはいて的な経済水域として活用可能なのです。
で、洋上風力は、その海域を活用できる極めて有望な技術なのです。
あくまでも理想論ですが、我が国の排他的経済水域を全て使えば理論的には、日本の総使用電力の3倍以上もの電力を発電可能なのです。
もしも風力発電を抜本的に増やす事ができれば、今、7割ものシェアを誇る火力発電を大幅に減らしていくことができます。
そうなれば、エネルギー自給率が上がるのみならず、10兆円規模で海外から毎年購入している大量のガス・石油等を、もう買わなくてよくなります。それはつまり、国民が稼いだ所得が10兆円規模で海外に流出することを防ぐ事になります。それはつまり、10兆円規模の大規模な経済対策を行うことと全く等価の効果を持つ、のです。
このあたりは、次回の「ももいろインフラーZ」の中でも詳しく取り上げる予定ですが…
それにも関わらず、洋上風力がこれだけ、ネット界でディスられるのは何故なのでしょうか?
その理由を、先に紹介した動画コメントから拾ってみますと、どうやら、洋上風力がディスられているのは、以下の5点の理由故の様です…
藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)