… … …(記事全文2,842文字)台風7号は、近畿・中部や東海を中心に大きな被害をもたらしました。
各地に土砂災害、河川氾濫をもたらすと同時に、様々な民間事業が休止されることとなり、俄に推定することは困難ですが、ストック被害、フロー被害の双方の点で甚大な経済被害を産み出してしまいました。
そんな民間事業休止の中でも交通機関寸断の影響はとりわけ大きく、飛行機、鉄道、高速道路といった様々な交通が不通となってしまいました。
かくいう当方も、昨日16日に京都から東京に移動し、本日17日の早朝のラジオ「おはよう寺ちゃん」に出演する予定だったのですが、東海道新幹線が台風が過ぎ去った昨日16日、通常通りの運行がなされず、多くの便が運行となると同時に、最大で「9時間半以上」という、聞いた事も無いような遅延が生じ、京都駅の全ての乗客を運びきれないほどの大混雑となり、新幹線に乗車することが著しく困難となりました。
で、仮に乗車できでも超絶な遅れ時間のためにラジオが始まる本日17日午前6時までに東京のスタジオに到達できない可能性が物理的に存在する…ということとなったため、残念ながら行くことを断念いたした次第です(実際、本日17日の新幹線のダイヤは、16日の便が朝までに全てオペレーションが完了しておらず、始発から2時間以上遅れるという事態になってしまっていました)。
今年は既に8月時点でこうした台風によって新幹線が動かず、予定していた仕事ができなくなってしまう…という事態が、既に二回も発生してしまった事になります(前回は、大阪のTVにでれなくなってしまった6月の台風2号です)。
その時に学んだ「北陸周りルート」を今回、改めて画策したのですが、今回は北陸地方も台風の影響があり、在来線特急(サンダーバード)の運行も不安定だったために、そちら周りでも東京に到達できない可能性が昨日16日時点で想定されたため、選択することができませんでした。
ということで今回はまさに八方塞がりの状況となってしまったのでした。
さて、今回改めてなぜ、こんなに東海道新幹線が止まってしまうのかというと、次のような背景があるのです。
そもそも、「現代」の新幹線は、おおよそ「高架橋」の上に作られており、多くの私鉄や在来線の様に「盛り土」という(少々前近代的な)土を盛っただけの場所の上に直接線路が敷かれることは希となっています。
なぜそうなのかというと、盛り土の上に線路を敷く構造は、雨水によって一部土砂が流出するリスクがあると同時に土砂を含むことで脆弱化してしまうため、きつい雨が降るとスグに運休せざるをえなくなってしまうのです。これがもし高架橋の上に線路ならば、そういうリスクが全くなく、かなりの大雨でも安全に運行させることが可能となるのです。
こうした背景から、今日では、大雨等に対する「強靱化」の観点から、新幹線を盛土の上に作る、ということはどんどん少なくなってきています。例えば盛り土区間は山陽新幹線で18%、上越新幹線ではわずか1%となっています。
藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)