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藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~

藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)

藤井聡

「日本のコロナ対策」は絶望的に滅茶苦茶…その中で一体何ができるのか、絶望せずに動きながら考え、考えながら動き続けたいと思います。

ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00178/2021040422513378537 //////////////////////////////////////////////////////////////// 藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~ https://foomii.com/00178 //////////////////////////////////////////////////////////////// 今第四波が訪れたということで、大阪や兵庫等で「まん防」が発令されることになりました。 このパターンは、ちょうど一年前に、感染症学の木村もりよ先生らあとの共著で出版した論文(http://j-strategy.com/opinion2/4754)で危惧していた、最悪のパターンそのもの。 そもそも、政府が、ただただ単純に、「感染が広がってくれば自粛要請を出し、収束すればそれを解除する」という対策を行い、それ以外の対策を何もしなければ、こちらの昨年4月に公表した論文に掲載したこの図のパターンAに示した様に… https://foimg.com/00178/gdtiaB 感染が拡大し収束しまた拡大し収束し…ということを第一波、第二波、第三波、そして第四波と文字通り繰り返してきています。 私達は、こういう愚かな対策派絶対に避けなければならない、ということを第一波の頃から主張していたのですが、それから一年間、まさにここで記載している愚挙を日本政府は繰り返してきたわけです。 なぜ、こういう拡大→(自粛→)収束→(自粛解除→)拡大→…という「拡大収束無限ループ」が愚かだと考えているのか、そしてそれを繰り返させている日本政府、そして、その日本政府を許し続けている日本国民が誠にもって許し難い不如意であるのかを、解説したいと思います。 まず第一になんといっても、こういう軽々しい自粛要請の嵐によって、多くの店が潰れ、多くの企業が潰れ、多くの人々が失業し、多くの人々が所得を失い、多くの人々がうつ病になり、多くの人々が不幸に落ち、そして、多くの人々が自殺してしまったのです。 無論、こうした自粛による超絶な社会的経済的文化的精神的被害は、政府支出の拡大を通して(解消することは不可能であるとしても)幾分は「緩和」することは可能なのですが、それもやらないのです。これが第二の日本のコロナ対策の不如意の理由です。 そして第三に、「感染抑止対策」には、「自粛」以外にも、山ほどの対策があるのです。にも関わらず、それについてほとんど全てやっていないのです。例えば、以下の1つや2つをやるだけでも、自粛による社会的経済的文化的精神的被害を大きく軽減できた筈なのです。 ・財政拡大による医療供給力の確保 →これによって、自粛期間を大幅に縮減でき、被害を大きく軽減できる。
… … …(記事全文3,528文字)
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