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☆適菜収のメールマガジン☆ vol.329 2025年11月17日配信
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□「バカの構造」第1回
バカはなぜバカなのか?
□今週のリンク
□「源氏ハイライト」第298回
明石㉚かわいそうな入道
□今週のYoutube3本
□読者からのお便り
□編集後記
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■■■■「バカの構造」第1回■■■■
バカはなぜバカなのか?
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世の中には信じられないくらい優秀な人間がいる。
一方で、信じられないくらいバカな人間がいる。
信じられないくらい優秀な人間を見ると、素直に「すごいなあ」と思う。
信じられないくらいのバカを見ても「すごいなあ」という感想は変わらないが、「なんでこんなにバカなんだろう?」という素朴な疑問もわいてくる。
わが国では日々バカがバカな発言を繰り返している。SNSでバカに巻き込まれ、疲れ果て、心を痛める人もいる。バカがバカを支持するので、社会の第一線にバカが進出するようになった。悪貨は良貨を駆逐する。政治の世界に潜り込んだバカはやっていことと悪いことの判断ができないので、政治制度を都合よく変え、広告会社を使ってバカを煽動することで権力を握った。
バカとは何か?
価値判断ができないことである。
バカとは知識がないことではない。赤ん坊や幼児は無知だが、それを「バカ」とは言わない。一方、膨大な知識と立派な肩書きをもつバカは大勢いる。大学教授、政治家、医者、弁護士……。
少し昔の話だが、よく覚えている一件がある。スティーヴィー・ワンダーが缶コーヒーのCM用に「To Feel The Fire」という曲を作った。その後、この曲を日本のロックバンドがカバーした。缶コーヒーの新CMで「To Feel The Fire」が流れるようになると、「知らない外人が日本のバンドからパクった曲を歌っている」と一部の連中が騒ぎ出した。
スティーヴィー・ワンダーを知らないのはバカではない。単なる無知である。しかし、調べもせずに居丈高になり、「盗作だ」と騒ぎだすのがバカなのである。たとえ無知でも正常な人間は黙っている。こう見てくると、「恥知らず」はバカを構成する重要な要素と言える。
また、大手飲料メーカーが、盗んだ曲をCMに使うわけがないという常識的な判断ができないのだから、常識がないともいえる。
以前、「適菜収は作家のくせに他人のツイートを丸パクリしている。つい最近もまったく同じ文章を見かけた。恥ずかしくないのか」というリプがあった。そいつはbotを知らなかったというオチだが、これなど根拠のようなものがあるだけマシで、根も葉もない嘘、デマ、虚言で社会は満ち溢れている。
こうした社会でバカとどのように対峙すればいいのか。
「非学者論に負けず」という言葉があるように、バカは最強である。バカの最大の特徴は、バカだから自分がバカであることに気づかないことである。そして自分を賢いと思い込んでいる。能力の低い人ほど、自分の能力を実際よりも高く評価してしまう認知バイアスを

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