6月6日、土佐市長が市議会でニールマーレ問題について陳謝し、朝日が初めて記事を書いた。相変わらず、田舎の移住者いじめという単純な図式で事件を説明している。移住してきた若者が高知の田舎でカフェを開店させ、人気店に繁盛させたのに、施設管理者から出ていけと追い出しを受けたという物語に表象化して報道している。店長が「告発マンガ」で描いた当初の構図をそのまま基調にしている。朝日の記者の頭の中が、その固定観念(=新居浜市の事件と同類という決めつけ)で固まっているからだ。実際は違う。この認識は誤っている。永田順治はエスエルディーの元社員で、そこから土佐市の地域おこし協力隊員に転籍し、企業組合の理事長(店のオーナー)に就任した。われわれが普通にイメージする、地域おこし協力隊に応募した一般的な移住者の範疇とは違う。 ミスリードさせる記事だ。朝日の記事には、青野玄が社長を務めていたエスエルディーの情報がない。永田順治が青野玄の元部下であり、青野玄が高知県の観光アドバイザーを務めていた事実の解説もない。事件の真相に触れる背景が何も書かれてない。高知新聞も同じ。朝日の記事が出て、Yahooトップページに見出しが載り、またまたネットイナゴの群れによる土佐市への誹謗中傷が盛り上がる進行となった。問題への関心が再び刺激・増幅され、店長を応援するモメンタムが高まった。だが、比較すると、前回(5/24)のヨッピーの記事当時ほどの激烈なお祭り騒ぎにはなってない。驚いたのは、市長報告の報道が出た直後のネット・アンケ―トの反応だ。何と、ニールマーレを「応援する」が28%で、「応援しない」が72%という意外な数字が出ている。 6月6日夜のタイムラインで、圧倒的多数が、ニールマーレと店長を応援しないという意思を表明した。ニールマーレ問題をめぐる真相が徐々に明らかになり、この問題に詳しい知識を持った者ほど、ニールマーレに不審の目を寄せている。マスである群衆は相変わらず店長支持のままで、擁護と応援の態度を変えてない。だが、ずっとネットの集合知の推移を追いかけ、パズルのピースが掘り出される過程を見てきた者は、あの「告発マンガ」が居座りのゴネ得を狙ったものだと判定を下している。狡猾な印象操作をネットで拡散して世論を煽った事件という批判的な見方に傾いている。 法的正当性の余地はなく、擁護は無理だという結論に至っている。この問題を客観的に整理し、地方自治の観点から慎重に解説して専門家となった犬山市議も基本的に同見解だろう。そうした、いわば意識の高いネット民の視線は変わらず、今後もさらに増えて行くと予想される。現状、潮目が変わり、店長はネットでは不利な流れになった。それでは、店長が私に法的措置を宣告してきた記事の問題について、具体的に反論しよう。宣告から3週間経ったが、何も起きていない。私は自由に発言を続けていて、言論の自由を行使している。… … …(記事全文4,891文字)