━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/08/14 人為的に点火されるナショナリズムの火 第316号 ──────────────────────────────────── 次の総選挙がいつになるか。 民自公の三党が「近いうちに」解散総選挙を実施することを決めたが、「近い うちに」ではいつか分からない。 「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」と街頭で言い切った のに、「シロアリを退治しないで消費税を上げる」ことを平気で押し通すよう な人物の言うことだから信用できないと考えるのが妥当だろう。 野田佳彦氏と同じ属性を持つ前任の首相も、「復興基本法が成立し、2010 年度第二次補正予算編成の「めど」がついた段階で首相の職を辞する」ことを 確約したのに、その後、1年間も総理の椅子にしがみついた。 首相の地位に就く人の器量が極端に小さくなっている。 「小人(しょうじん)」が日本の頂点に立つことは、国民にとっての不幸であ る。 問題なのは、菅氏も野田氏も主権者である国民の信託を受けて首相の地位に就 いていないことだ。 主権者が創り上げた新しい政権を強奪というか、横取りして、ちゃっかり首相 の座に就いたのが菅直人氏であり野田佳彦氏である。 内閣支持率も2割程度しかない。正統性を保持しない首相が国の重要決定を主 導することは、本来回避されるべきことである。 主権者国民の意思とかけ離れた政治の実情を踏まえ、これを改善しようとして 提唱されてきたのが「マニフェスト選挙」だった。 この「マニフェスト」にはルールがある。野田佳彦氏は2009年8月15日 に、マニフェストについて分かり易い解説を示した。 2009年8月15日野田佳彦氏街頭演説 http://www.youtube.com/watch?v=y-oG4PEPeGo 「マニフェスト、イギリスで始まりました。ルールがあるんです。 書いてあることは命懸けで実行する。 書いてないことはやらないんです。それがルールです。… … …(記事全文4,752文字)
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
植草一秀(政治経済学者)