━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/07/22 財政危機が生じない貯蓄超過は経常黒字のこと 第293号 ──────────────────────────────────── 7月19日の参議院社会保障・税一体改革特別委員会質疑。 「国民の生活が第一」の中村哲治議員が質問に立った。 委員会室では小沢一郎代表も質疑を傍聴した。 http://www.youtube.com/watch?v=RoFc4PQ-L-E 中村哲治議員は、野田内閣が主張する「待ったなしの改革」に待ったをかけた。 格付機関が日本の国債の格付けを引き下げた際に、財務省は日本政府の見解と して反論の文書を提示した。 そこで財務省が主張した日本財政を取り巻く状況は基本的に変わっていない。 日本の財政は危機的ではないと主張した財務省が、なぜいま、直ちに増税を実 行することが必要だと叫んでいるのか。 到底理解できないと中村氏は語った。 2002年5月に財務省が格付会社に送付した意見要旨は以下のものだ。 http://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htm いまも財務省ホームページに掲載されている。 外国格付け会社宛意見書要旨 1.貴社による日本国債の格付けについては、当方としては日本経済の強固な ファンダメンタルズを考えると既に低過ぎ、更なる格下げは根拠を欠くと考え ている。貴社の格付け判定は、従来より定性的な説明が大宗である一方、客観 的な基準を欠き、これは、格付けの信頼性にも関わる大きな問題と考えている。 従って、以下の諸点に関し、貴社の考え方を具体的・定量的に明らかにされた い。 (1)日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デ フォルトとして如何なる事態を想定しているのか。 (2)格付けは財政状態のみならず、広い経済全体の文脈、特に経済のファン ダメンタルズを考慮し、総合的に判断されるべきである。… … …(記事全文3,752文字)
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植草一秀(政治経済学者)