━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/06/18 主権者が最終的に総選挙で判断を下す 第260号 ──────────────────────────────────── 週刊文春が小沢一郎氏に対する攻撃を展開し続けている。 小沢一郎氏の元夫人が出したとされる書状の写真および文章を掲載している。 その意図は明白である。 小沢一郎氏に対する人格攻撃である。 このような悪意に満ちた週刊誌記事に影響を受けるような、いわゆるメディア リテラシーを欠く市民は多くはないと思われるが、私のところにも、問い合わ せなどが寄せられているので、このような個人攻撃、中傷記事にどのように接 触するべきかについて、私見を提示しておきたい。 オランダの政治学者カレル・ヴァン・ウォルフレン教授が著書『誰が小沢一郎 を殺すのか』(角川書店)で、小沢一郎という政治家に対する「人物破壊(cha racter assassination)」工作の特異性を論じた。 今回の文春記事も、まさにこの範疇に入る「人物破壊工作」そのものである。 中国の『四経』の最も基本とされる『大学』に、 修身 斉家 治国 平天下 について記したくだりがある。 「天下を治めるには、まず自分の行いを正しくし、次に家庭をととのえ、次に 国家を治め、そして天下を平和にすべきである」ことを説いた箇所である。 週刊文春の狙いは、小沢一郎氏には「斉家」に問題があり、したがって、天下を 修める資格がないというものである。 一般論、理想論として、『大学』の記述は一面の真理を衝いてはいるだろう。 しかし、世の中はそれほど単純なものではない。 夫婦の相性が良く、仲睦まじいおしどり夫婦は理想の状況であるが、現実の人 と人との縁のなかでは、どのような結果が生まれるかは千差万別である。 個人と個人との間に生じる千変万化を、他の人が詳しく知る由もない。 仲たがいをし、恨み骨髄の者が口を開けば、一方的な罵詈雑言が飛び出してく ることもよくある話だ。 一方の話だけを聞いて、事実と思い込んでしまことほど浅はかなこともない。… … …(記事全文6,078文字)
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植草一秀(政治経済学者)