━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/06/17 スイシンジャーとミトメンジャーの闘いはこれからが本番 第259号 ──────────────────────────────────── 消費増税に関する民自公3党による談合。 大手メディアのなかで、唯一、正論を示したのは東京新聞だ。 6月16日付東京新聞社説を以下に紹介する。 「「一体」改革 消費増税も棚上げせよ」 「民自公三党が「一体改革」法案の修正に合意した。社会保障の抜本改革を棚 上げするなど一体改革には程遠いにもかかわらず、消費税は上げるという。こ の際、増税も棚上げすべきではないのか。 政党政治に新たな汚点を加えることになりはしないか。 消費税増税を柱とする「社会保障と税の一体改革」関連法案の修正協議で、民 主、自民、公明三党が合意に達した。今国会で成立すれば消費税は5%から二 〇一四年四月に8%、一五年十月に10%へと引き上げられる。 実際の増税前に次の衆院選が必ず行われ、その是非を問う機会があるとはいえ、 法律が成立してしまえば阻止するのは至難の業だ。 民主党は〇九年衆院選で消費税増税はしないと約束し、一〇年参院選は増税 を掲げて惨敗した。有権者が拒否した政策をなぜ強行するのか。次の衆院選で、 有権者は何を信じて投票すればいいのか。 野田佳彦首相は、本格的な少子高齢化社会を迎え、持続可能な社会保障制度 を構築するための消費税増税だ、と言う。だから、社会保障と税の改革は「一 体」だと。 ところが年金の最低保障機能や高齢者医療制度の見直しなど、消費税増税と 一体であるはずの社会保障の抜本改革は棚上げされ、有識者らによる「国民会 議」で一年以内に結論を出すことになった。 与野党が協力して社会保障改革に取り組むのは是とするが、それならば改革 案がまとまって必要な財源額が確定するまで、増税決定も見送るのが筋ではな いか。 社会保障の全体像が見えないまま消費税増税に踏み切るのなら、最初から増 税だけが狙いだったと批判されても仕方があるまい。 財政への危機感は首相と共有する。今の社会保障が持続可能とも思わない。 国民も同じだろう。社会保障も税も抜本改革が必要だ。… … …(記事全文4,217文字)
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植草一秀(政治経済学者)