━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2011/12/01 反TPP反消費税の主権者国民政党の樹立を急げ 第62号 ──────────────────────────────────── 11月30日、野田政権発足後初めての党首討論が実施された。 谷垣禎一自民党党首との討論では、言うまでもなく、三つの問題が取り上げ られた。 沖縄問題、TPP、消費税である。 防衛省の田中聡沖縄防衛局長が11月28日夜の那覇市居酒屋でオフレコ記 者懇談会を開いた。この席上で、一川防衛相が辺野古基地建設のための環境ア セスメント評価書を年内に提出すると断言しない理由について記者から問われ た。 田中局長が、「(女性を)犯す前に「これから犯しますよ」と言いますか」 と発言したと報道された。 報道したのは琉球新報一社であり、他のマスメディアは問題を隠蔽しようと した。 三つの重大な問題が露わになった。第一は、自衛隊幹部の沖縄に対する意識 の一端が表出したものと受け止められること。第二は、政府の沖縄問題に対す る基本姿勢が問われること。第三は、これだけの重大発言を報道せずに隠蔽し ようとしたメディアの対応である。 野田佳彦氏は誠心誠意だか正心誠意だか、いつもの言葉を使って謝罪をした が、誠の心、心を正す姿勢が存在しなければ、誠心誠意も正心誠意も言葉の遊 びに過ぎない。私は野田佳彦氏の姿勢を 「巧言令色鮮し仁」 と表現する。これがもっとも似つかわしい言葉だ。 田中局長発言を、単なる個人の失言として捉えるべきでない。沖縄の県民を なめ切った政府の対米隷属の姿勢そのものが問われているのである。 この問題が表出した現段階で、環境アセスの年内提出方針について谷垣氏が 追及した。これに対して野田氏は、 「環境影響評価書については、年内に提出をする準備をしている、という状況 でございます。」 と述べて、沖縄県民の意思を踏みにじり、対米隷属の政府方針を沖縄に強行に… … …(記事全文6,097文字)
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植草一秀(政治経済学者)