━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2011/11/30 NHK原発事故スペシャルが意図的に隠ぺいした重要事実 第61号 ──────────────────────────────────── NHKが11月27日、NHKスペシャルで原発事故を取り上げた。 「シリーズ原発危機 安全神話 ~当事者が語る事故の深層~」 である。新聞の番組表ラテには、 「国・東電の歴代幹部150人がいま真相告白 “原子力村”で何が?失敗の本質は?」 とあった。 人類史上最悪レベルの放射能放出事故を引き起こしてしまった東京電力。原 子力事業については、国が上から強制的に事業を実施させてきた経緯がある。 いわゆる原子力マフィアが暗躍して日本の原子力事業が推進されてきた。原子 力マフィアの中心には正力松太郎氏と中曽根康弘氏がいる。いずれも、米国の 命を受けて日本に原子力事業を植え付けた人物である。 原子力事故を引き起こした場合、発生する損害賠償を誰に負わせるのかを定 めた法律がある。原子力損害賠償法である。 第三条に以下の条文がある。 第二章 原子力損害賠償責任 (無過失責任、責任の集中等) 第三条 原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えた ときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに 任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生 じたものであるときは、この限りでない。 この法律は、原子力事業者が原子力事故を引き起こしてしまった場合、当該 原子力事業者が損害賠償責任を負うことを定めている。 原子力事業については、極めて厳格な規制、基準が設けられており、原子力 事業者はこの規制、基準を満たすことを求められる。原子力事業者はこの厳格 な規制、基準を満たして事業を行っており、そのなかで事故が発生したのであ れば、規制や基準を定めた政府に責任があるのではないかとの見解も散見され る。 しかし、損害賠償責任について、原賠法は、解釈の相違が生じる可能性のな い条文を置いている。それが、… … …(記事全文7,433文字)
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植草一秀(政治経済学者)