… … …(記事全文6,518文字)日本人が起こす「殺人事件」の多くは「介護殺人」だといわれている。物価高の問題から起きている深刻なシワ寄せは、ここにも直撃している。そういう認識が、5人の自民党総裁候補者にあるのか
◆〔特別情報1〕
日テレは26日、「『介護に疲れた』91歳夫の首絞め殺害か 86歳妻を逮捕 神奈川・川崎市」という見出しをつけて次のように報道した。
「神奈川県川崎市の自宅で91歳の夫の首を絞め、殺害したとして、86歳の妻が逮捕されました。調べに対し、『介護に疲れた』などと話しているということです。
警察によりますと、殺人の疑いで逮捕された川崎市の自営業・吉原陽子容疑者は25日午前、夫の清さんの首をネクタイで絞め、殺害した疑いがもたれています。
買い物から帰った長女から、「母が首を絞めた」などと110番通報があり、警察官が駆けつけると首にネクタイが巻かれた状態で清さんがベッドに横たわっていたということです。
清さんは病院に搬送されましたが、その後、死亡が確認されました。
吉原容疑者は調べに対し、容疑を認め、『介護に疲れた』などと話しているということで、警察が詳しい経緯を調べています」
この事件に関しては、テレ朝やFNNも報道しており、恐らくこれらを受けてだろう、ヤフーニュースの【ヤフコメで話題】で「老々介護は誰にとっても他人事ではない」「法整備とケアの充実を求める声」 - 高齢者介護の現状と社会的課題に注目」という見出しをつけて次のように取り上げられていた。
「ユーザーコメントでは、親の介護経験者から老々介護の過酷さに共感する声や、加害者となった高齢者に対して寛大な措置を求める意見が寄せられています。また、介護は誰にとっても他人事ではない社会的な問題であり、法整備やケア体制の充実が必要だという意見も見られます」
プレ団塊世代の筆者にとっても、もはや「老々介護」は他人事ではない。還暦を過ぎた筆者のアスタントもまた、両親の介護を担って父親を見送り、いまは母親の介護を続けている。もういまの日本が突入した超高齢化社会において介護は、当たり前に生活に存在する社会になっている。しかし、次の総理に繋がる比較第一党の自民党総裁選において、「介護」の問題はまったくといっていいほど、話題に出てきていない。
参院選で大躍進した参政党のキャッチフレーズ「日本人ファースト」を各候補者は意識しているようだが、「介護疲れ」からの殺人や心中は8日に一件起きている統計も出ており、日本人が起こす「殺人事件」多いのは、まさにこの「介護殺人」だといわれている。物価高の問題から起きている深刻なシワ寄せは、ここにあるといっていい。そういう認識が、5人の候補者にあるのだろうか。

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