… … …(記事全文4,739文字)日本の命運がかかる「トランプ関税」の「取引」は、赤沢が術中にはまり完全にトランプペースで進んでしまった。交渉の駆け引きよりも、トランプに会えたことに感激してしまった赤沢は未だ興奮冷めやらず
◆〔特別情報1〕
これは自民党内部に精通する事情通からの特別情報である。
「あれにしては、よくやったんじゃないの?」というのが、トランプ関税を巡り、初めて対米交渉に臨んだ赤沢経済再生担当相に対する自民党内の評価だ。とにかくゼレンスキーとのような決裂にだけはならないように、それだけを心配していたようだ。リレーの第一走者としては、合格点といったところ。
「あれにしては」とは失礼な呼び方だが、石破首相のお膝元である鳥取県第2区選出で、総裁選で推薦人に名を連ねた石破の子分だ。その論功行賞として、ようやく初入閣にこぎつけた議員だ。運輸省(国土交通省)入省の元官僚である。閣僚経験がない長い間「冷や飯組」だけに、大きな期待はなかったというもの。「ご挨拶」を卒なくこなしてくれさえすればといったところだった。ところが、突如、会談の場にトランプも登場すると、トランプ自身がSNSで発信し、空の上で寝間着姿で休んでいた赤沢は、目が点になった。
日テレは17日、「トランプ大統領『私も出席する』突然表明 “交渉役”赤沢経済再生相がアメリカ到着、トップと会談へ」という見出しをつけて次のように報道した
「アメリカのトランプ大統領は日本時間の16日午後7時半ごろ、日米の関税をめぐる交渉について言及。
トランプ大統領のSNSより『日本はきょう、関税と軍事支援に関する費用、そして「公正な貿易」について交渉するため訪れる。私は財務長官と商務長官とともに協議に出席する』
自身も出席することを明かしたほか、在日米軍の負担についても議題にあがる可能性を示唆しました。これを受け、日本でも急きょ動きが。政府関係者によると、首相公邸で緊急会議が行われ、トランプ大統領が交渉の場に出席する意向を示したことを受け、対応を協議しているということです」
米国到着後の赤沢は、トランプも出席とのサプライズ情報に、すっかり表情は固まっていた。ところが会談を終えてひとまず肩の荷を下ろした赤沢の表情は緩みっぱなし。しかも記者団に対して、「格下も格下と直接話をしてくれたことに感謝している」とトランプを持ち上げる感想を語った。これにより赤沢が、あっさりとトランプの術中にハマっていたことがわかる。ディール好きのトランプは、アメとムチを巧妙に使って人心を掌握していく「人たらし」でもある。突然のトランプ同席は、トランプ流の作戦だった。
購読するとすべてのコメントが読み放題!
購読申込はこちら
購読中の方は、こちらからログイン