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板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~

板垣英憲(政治評論家)

板垣英憲

石破首相は、忍耐強く強かに、野党との距離を縮めつつ、大連立をも視野に模索しているという。高鳥氏による野田代表への刑事告訴は、野田代表つぶしのように見えて実は、石破降ろしへの布石とみられている

石破首相は、忍耐強く強かに、野党との距離を縮めつつ、大連立をも視野に模索しているという。高鳥氏による野田代表への刑事告訴は、野田代表つぶしのように見えて実は、石破降ろしへの布石とみられている

◆〔特別情報1〕
 2月も半ばを過ぎ、いよいよ予算審議が大詰めを迎えつつあるなか、野党第一党である立憲民主党の野田佳彦代表が刑事告訴されたと報道された。何があったのかと思えば、昨年の衆院選における演説での発言が公職選挙法違反などにあたるとして、高鳥修一元衆議院議員が野田代表を上越警察署に刑事告訴したというものだった。
 上越タウンジャーナルは15日、「高鳥修一元衆議院議員が立民の野田代表を刑事告訴 衆院選の応援演説『脱税』と発言」という見出しをつけた記事のなかで高鳥氏本人を取材し次のように記述している。
「高鳥氏は、2022年までの5年間に派閥からの政治資金パーティー券の販売ノルマを超えた還流分合計544万円について政治資金収支報告書に記載していなかった。衆院選では党から処分を受け比例の重複立候補が認められず、新潟5区で梅谷氏に敗れ落選した。2025年2月15日、上越タウンジャーナルの取材に応じた高鳥氏は『他の事務所のような中抜きや私的流用は一切なく、そもそも裏金をつくったという事実もない。検察の捜査対象にもなっていない。国税庁にも確認したが、一般論として脱税にはあたらないとの回答を得ている』として『野田氏の発言は何の根拠もなく虚偽だ。公党の党首の発言であり、許すことはできない』と話した」
 しかし、高鳥氏は、自民党派閥の裏金作りに関与したとされる、いわゆる「裏金議員」のリスト73名に名前が挙がっており、それ故に党から処分を受け比例の重複立候補が認められなかった。「裏金議員」のレッテルを貼らざるを得なかったのは、高鳥氏が所属していた自民党である。それを受けての野田氏の演説である。それを「何の根拠もなく虚偽だ」といまさら訴えるのならば、現職国会議員であったときに、しっかり政倫審に出席をして釈明すべきだったのではないか。高鳥氏は、「レッテル貼りをされるだけ」との理由で、政倫審を辞退している。
 そのときの記事を紹介しておこう。朝日新聞は2024年6月24日、「裏金議員73人、政倫審に応ぜず閉会 『レッテル貼られるだけ』」という見出しの記事のなか、高鳥氏の言葉を次のように記している。
「高鳥修一衆院議員は『会見で知っていることは答えた。だから、(政倫審を)やっても、『茶番だ』とレッテル貼りをされるだけなので、辞退した』と述べた」
 政倫審辞退という自らの判断が、招いた結果といえるだろう。
「会見で知っていることは答えた」という高取氏の会見とは、544万円の還流を受けていた責任を取って「党県連会長」を辞任すると表明した、地元の新潟県上越市での会見のことを指しているのだろう。この会見で高鳥氏は、「政治不信を招き、心からおわびしたい」と陳謝していた。
 パーティー券の販売ノルマを超えて集めた還流分の内訳は、2018年60万円、20年196万円、21年148万円、22年140万円の計544万円。事務所経費や人件費に247万円使い、残りの297万円は金庫に保管していたと、高鳥氏は説明している。
 さて、刑事告訴という行動に出た高鳥氏について、自民党内部に精通する事情通は次のように語った。
「あいつは激しいんだよ。そして猛烈な高市早苗推しだ。これは、野田つぶしのように見えて、実は、石破降ろしの布石だ」

… … …(記事全文5,821文字)
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