… … …(記事全文4,632文字)石破首相所信表明演説の「変節」ぶりを、内心ほくそ笑んで聞いていたのは、新進党結党を共に行動していた高市早苗だろう。和歌山では引退を決めた裏金議員トップ二階の選挙区に裏金議員・世耕が鞍替え参入で大荒れ
◆〔特別情報1〕
臨時国会の開会式が行われた4日、衆院本会議で初の所信表明演説に臨んだ石破茂首相は、裏金事件について「国民の政治不信を招いた事態について、深い反省とともに触れねばならない」と陳謝。怒号が飛び交う、波乱の幕開けとなった。
共同通信は4日、「野党『スカスカ』と一斉酷評 石破首相の所信表明演説」という見出しをつけて、以下のように野党各党首コメントを報道した。
野田氏は、首相が自民党総裁選で訴えた選択的夫婦別姓や北朝鮮・平壌への連絡事務所設置に触れなかったことを挙げ「本人は原稿にどこまで目を通したのか。総裁選で言ったことは全部なしなのか」と記者団に指摘。7日の代表質問でただすと表明した。
馬場氏は「石破氏が長年、国民の視点に立ち言ってきたことが、党総裁や首相のポジションを守るため全て封印された」と非難。共産党の田村智子委員長は、経済や外交・安全保障の具体的な政策に言及がなかったとして「ここまで自民政治が劣化しているのかというほどの、中身のなさだった」と批判した。
国民民主党の玉木雄一郎代表は、これまで聞いた歴代首相の演説と比べ「最も空虚な内容だった。石破カラーが全くなくなった」と嘆いた。
またこれら野党間の統一候補に向けた調整に奔走しているであろう、立憲民主党総合選対本部長代行の小沢一郎は、自身のX(旧ツイッター)に次のように投稿している。
「石破総理の所信表明演説。持論の日米地位協定改定、アジア版NATO構想、保険証廃止見直し、選択的夫婦別姓など、全てスルー。原発ゼロは一転なぜか原発の利活用推進に。結局、総裁選の重要公約を全部撤回。挙げ句、裏金議員全員公認。この人は一体、何のために総理になったのか?歴代最低のレベルでは?」
小沢一郎は、過去2度の政権交代実現のうちの最初の政権交代であった細川連立政権のとき、続いて下野した後にできた新進党結党時に行動をともにしている。当時のことをよく知る新進党OBたちは、こうした石破首相の驚くべき変節ぶりについて、「相変わらずだ」「昔からそういう男なんだよ」と口々にしている。
板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~
板垣英憲(政治評論家)